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豪で大雨被害、石炭高騰が鉄鋼業直撃


ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2010年12月9日_記事番号:T00027082

豪で大雨被害、石炭高騰が鉄鋼業直撃

 
 オーストラリア東部の石炭産地、クイーンズランド州で発生した洪水で、鉄鋼生産に不可欠な燃料用石炭の価格が急騰しており、鉄鋼生産コストが上昇している。9日付経済日報が伝えた。

 石炭相場は、長期契約価格が1トン当たり207米ドル、スポット価格は同235米ドルまで高騰している。一般にスポット価格は次の四半期の長期契約価格に反映されるため、鉄鋼生産コストは同15米ドル前後の上昇が避けられない見通しだ。鉄鉱石価格も来年第1四半期に同155米ドルに達すると見込まれるなど、先高観が根強い。

 中国鋼鉄(CSC)は「クイーンズランド州は毎年雨季に当たる1~2月に水害が起き、石炭相場が変動するが、今年は雨季の到来が早く、12月から大雨が降り続いている。豪雨が石炭産業にとって予測不能な地雷となっている」と分析した。

 市場関係者は、状況が変化しなければ、鉄鋼生産コストは同60米ドル前後の上昇が見込まれ、熱延鋼板の生産コストは同660~670米ドルに達し、鉄鋼メーカーの損失計上も予想されている。日本の鉄鋼メーカーは、来年第2四半期の熱延鋼板価格を少なくとも同100米ドル値上げする方針を示しており、CSCも値上げに踏み切る可能性が高い。