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作成日:2007年9月18日_記事番号:T00002710
台北は3年連続地盤沈下、MRT工事が原因か
経済部水利署が工業技術研究院に委託して行った測定調査によると、大台北地区は2004年~06年の3年連続で地盤沈下が起こっていることが分かった。
沈下幅は年間平均1~2.4センチ(累計3~7.2センチ)を記録しており、台北県三重市、蘆洲市、新荘市、台北市中山区で特に顕著だった。最も深刻だったのは、蘆洲市中正路と三重市三和路(沈下幅は年間2.6センチ)および新荘市の保力達公司(同2.3センチ)で、いずれも危険水準に達している。
台北盆地では64年時点で2,200余りの井戸が存在し、安全取水量を超えていたため、地下水位の低下は深刻なところで年間平均2.7メートルに達していた。68年に政府が地下水の過剰揚水を厳しく制限したことに加え、87年に翡翠ダムが完成したことで、地下水や井戸水の取水量が減少。近年に至るまで地下水位も安定していた。
今回判明した地盤沈下は、都市交通システム(MRT)の新荘線、蘆洲線の敷設工事沿線に集中していることから、工事の影響によるものとの見方が一般的だ。水利署はMRTを建設する台北市政府捷運工程局に対し注意を促しており、10月に再検査を実施することにしている。
捷運工程局は、工事では地下30メートルまで掘削するため地下水位のバランスを破壊するのは必至としながらも、工事に採用している連続壁工法は絶対に安全だと強調。蘆洲地区はもともと砂州の軟弱地盤であったため沈下が深刻になったもので、長期にわたる地盤沈下の原因はMRT工事だけが原因ではない、と反論している。