ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長はこのほど、2014年に4基目となる12インチウエハー工場「Fab16」を計画していることを明らかにした。10日付経済日報によると、投資額は3,000億台湾元(約8,300億円)で、稼働による12インチ工場4基の月産能力は60万枚と、現在の2.5倍に拡大する。大幅な生産能力増強により、グローバル・ファウンドリーズ(GF)、サムスン電子に対するリードを広げる構えだ。
張TSMC董事長は、来年の半導体景気は引き続き堅調で、先進製造プロセスの供給不足は解消されないとの見方の下、12インチ工場の生産能力増強を続ける考えだ。
「Fab16」は、候補地の中部科学工業園区(中科)と南部科学工業園区(南科)のうち、中科の可能性がより高いとみられている。楊文科・中科管理局長は「Fab16」誘致に向け早急に建設用地を割り当てたいと語り、誘致に強い意欲を示した。
中科では9日、TSMCが12インチ工場「Fab15」の上棟式典を行ったところだ。来年6月に完工、設備搬入し、2012年に稼働予定だ。月産能力12万枚の計画で、先進28ナノプロセスを備える同社2基目の12インチ工場となる。
12インチ生産能力、来年倍増
王建光TSMC営運副総経理は、今年は12インチ工場の拡張で「かなり忙しい1年だった」と振り返った。「Fab15」のほか、既存の南科「Fab14」が第4期拡張工事中で、月産能力が現在の13万5,000枚から来年3月の量産で20万枚に増える。新竹科学工業園区(竹科)「Fab12」は第5期拡張が終わり、今年第4四半期に小規模な量産に入った。来年さらに第6期拡張工事に着工し、月産能力が現在の10万5,000枚から15万枚以上に引き上げられる。これらを合わせると、現在の月産能力24万枚が来年以降47万枚へと約2倍に拡大する計算だ。
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