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「台灣」は不適切、教科書「臺灣」で統一へ


ニュース 社会 作成日:2010年12月13日_記事番号:T00027125

「台灣」は不適切、教科書「臺灣」で統一へ

 教育部が先月、各学校や傘下機関に対して、公式文書での「台湾」の漢字表記で通用の「台灣」が使われている場合、正体字「臺灣」を用いるよう求める通達を出した。教科書表記は再来年から「臺灣」に統一されるとみられる。

教育部が「臺」の使用徹底を図るのは、「台」は本来「臺」の簡体字ではなく意味が異なるため、正しい漢字を使うべきとの認識からだ。陳雪玉・教育部国語推行委員会執行秘書によると、最古の部首別漢字字典である後漢の「説文解字」で、「臺(tai・声調は第2声)」は「四方を見て高いもの」すなわち「四方への眺望を得られる高くて平らな建築物」である一方、「台(yi・声調は第1声)は「うれしい」という意味で、それぞれ全く異なった字なのだという。

それが唐代、宋代に下ると「台」をtaiと発音するようになり「臺」と同音になった。そして明代、清代になって「台」を「臺」の代わりに使う例がみられるようになったという。

台湾では民主化以前は「臺」の使用が多く見られたが、時代が下るに従って「台」の使用が増え、混用状態が続いている。台湾鉄路管理局(台鉄)はホームページでは「臺灣鐵路」と正式表記を用いている一方、台北駅での表記は「台鐵」「台北車站」。高速鉄道の「台灣高鐵」や都市交通システム(MRT)の「台北捷運公司」は最初から「台」だ。両社とも、変更は手間がかかり過ぎるため、「臺」に変更することはないとしている。教育部は「市民には正体字をより多く使ってほしいが、『台』の使用が習慣化しているため、今後各種試験で『台』と書いても減点することはない」との立場だ。

教育部の措置に対し市民からは「画数が少なくほうが分かりやすい」「余計なことをするべきではない」などの反応が出ている一方、「簡体字を使う中国との違いをはっきりさせるためにも、台湾は公式文書では正体字を使ったほうがよい」といった声もある。