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LEDのエピスター、来年グループ挙げて増産


ニュース 電子 作成日:2010年12月13日_記事番号:T00027153

LEDのエピスター、来年グループ挙げて増産

 
 発光ダイオード(LED)最大手の晶元光電(エピスター)は来年、中国と台湾の工場のほか、傘下で同業の泰谷光電科技(テクコア)、広鎵光電(ヒューガ・オプトテック)、さらに同社が4割を出資する台塑集団(台湾プラスチックグループ)傘下の南亜光電(ナンヤ・フォトニクス)など関連各社を挙げて生産能力の増強を進める計画だ。市場の先行きを好感するとともに、大規模な増産で韓国メーカーの脅威に対抗する考えとみられる。13日付工商時報が報じた。
 
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 エピスターの周銘俊総経理はこれまでに「来年は生産能力を3割増強する」と語っており、増強対象には、台湾工場のほか、光宝科技(ライトン・テクノロジー)と合弁の常州工場(中国江蘇省)、南亜光電が含まれるとしている。工商時報によると、来年LEDは照明や液晶テレビの光源としてさらに普及が進むと予想され、エピスターおよび関連メーカーは高輝度青色LEDを中心に増産を進める見通しだ。

 エピスターは現在、赤色LED用を含め250台の有機金属気相エピタキシー(MOCVD)装置を保有するが、来年は少なくとも35台を追加し、285台以上とする計画だ。また新たに導入する装置の対応ウエハーは従来の2インチから4インチにアップグレードする。なお業界関係者は同社の生産能力増強計画について「設備の数は重要ではない」とした上で、「既存の装置の処理能力を向上させることで、設備投資を抑えることが可能だ」と指摘した。

 エピスターが台プラと並ぶ大株主となっている南亜光電は、台北県樹林市の新工場で現在設備の搬入を行っており、同社のMOCVD装置数は今年の11台から来年20台まで増加する見通しだ。

 南亜光電は台プラグループにLEDを供給しつつ、LED街灯および電球の分野での発展を目指しており、現在LED電球のテスト生産を行うとともに、世界的大手ブランドからの生産受託に向け、認証を申請中だ。

 テクコアが新設を計画する第5工場は、来年第1四半期に完成、同年第2〜第3四半期に設備搬入の予定で、来年同社のMOCVD装置は今年の43台から58〜60台まで増えることになる。

 第3四半期に正式にエピスター傘下に入ったヒューガは、60台のMOCVD装置を来年中ごろには約80台まで増設する。同社とエピスターは、双方の顧客に対し第2サプライヤーとして食い込めるよう相互協力を進める構えだ。

 ただ、証券会社は「エピスターグループが2011年に実施する生産能力拡充の規模は、かなり慎重なもの」との見方を示した上で、来年は照明および大型バックライト向けがグループ全体の業績をけん引すると指摘した。

その他メーカーも中国で増強計画

 LED業界ではエピスターのほかにも川上業者が中国で生産能力拡充を進める計画で、璨円光電(フォルモサ・エピタキシー)が瑞軒科技(アムトラン・テクノロジー)やLGディスプレイ(LGD)などと合弁で中国に設立した璨揚光電(江蘇省揚州)が、今月18日に新工場の稼働を迎える。MOCVD装置は年内に20台、来年は40台を追加導入するとみられる。

 このほか、友達光電(AUO)傘下の隆達電子(レクスター)もLEDの自社調達比率向上を急ぎ、年内のMOCVD装置導入台数を80台と、当初計画の60〜70台から増やす。さらに来年第1四半期には中国・蘇州工場も量産を開始する見通しだ。

【表】