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ASUSのタブレット、来年100万台に挑戦


ニュース 電子 作成日:2010年12月16日_記事番号:T00027243

ASUSのタブレット、来年100万台に挑戦

 華碩電脳(ASUS)は世界営業会議(グローバル・セールス・ミーティング)最終日となった15日、2011年のタブレット型パソコンの出荷目標について、アップル「iPad」を除く製品の世界市場で2けたシェアを目指すと発表した。同社は来年の非iPad製品出荷台数を1,000万〜1,500万台と予想していることから、100万台以上の出荷を目指すことになる。16日付工商時報が報じた。

 ASUSはまた同日、ノートPC全体の来年の出荷目標を今年比18%増の2,000万台とすると正式に発表。そのうち一般のノートPCは、今年予想される1,090万台から約30%成長の1,400万台を目指すとしているが、低価格ノートPC(ネットブック)の出荷目標は600万台で、今年比で横ばいの目標設定となった。今年世界中で話題となったiPadをはじめとするタブレットPCに市場を圧迫されるとの見方で、「ゼロ成長」予測は、07年に同社が他社に先駆けて同製品を発売して以来初めてのことだ。

 こうした状況の中、ASUSは、米ラスベガスで開かれる世界最大級の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」開幕直前の来年1月4日、タブレットPC「Eee Pad」シリーズを発表し、同製品の販売に全力を挙げる考えだ。

世界3位の目標は達成困難に

 なお、ASUSは中国ノートPC市場シェアで今年、2位米ヒューレット・パッカード(HP)に迫る3位に付けており、来年はシェアを13%から15%に引き上げ、全力で2位奪取を目指すとの考えを示した。しかし同日付電子時報は、中国市場では方正科技(ファウンダー・テクノロジー・グループ)から「ファウンダー」ブランドの使用権を獲得した宏碁(エイサー)が来年、勢力を拡大するとみられる中、ASUSがシェアを引き上げることは容易ではないと指摘している。

 同紙はさらに、ASUSが以前から掲げている「来年にノートPC世界3位入り」の目標も、中国市場で予想される苦戦に加え、タブレットPCブームがノートPC市場全体に影響を及ぼすとみられることから、達成は厳しいとの見方も示した。

スマートフォンも苦戦

 一方、これまで全地球測位システム(GPS)大手のガーミン(台湾国際航電)と共同で「Garmin−ASUS」として展開してきたスマートフォンは、今年100万台出荷を目標としていたが、新機種の発売が予定通り進まなかったことや、米国市場でiPhoneなどライバル機種の壁に阻まれ、思うようにシェアを伸ばせず、目標達成が困難となっている。来年はガーミンとの提携を解消し、1月から「ASUS」単独ブランドとしての展開となるが、出荷目標は今回発表されなかった。

 ただ同社は今後もスマートフォン製品の付加価値向上に取り組む構えで、15日に傘下の全球聯迅(eCareme)が発表した、ネットワーク上で音楽ファイルを保存・管理する、音楽プレーヤー向けクラウドサービス「MEar」を来年ASUSのスマートフォンに導入する計画だ。

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