ニュース 運輸 作成日:2007年9月18日_記事番号:T00002726
中華航空(チャイナエアライン)の子会社、華信航空(マンダリン航空)は17日、台北~高雄線の片道運賃をインターネットを通じた購入に限り、出発時刻、曜日に関係なく一律1,390台湾元(約4,900円)に値下げした。台湾高速鉄路の同区間の運賃は1,490元で、航空運賃が初めて台鉄を下回ったケースとなった。高鉄に押されて域内路線の廃止や減便が相次ぐ中、低価格を武器にシェア奪回を図る構えだが、「400キロ以内の市場で航空会社の生き残りは厳しい」(18日付経済日報)など、効果には疑問が投げ掛けられている。
関係者によると、華信が今回率先して値下げを行った理由は、高鉄が今月14日に1日37便から45便に増便したこと、および他の航空会社がすでに旅行会社を通じて格安チケットを販売しているため、対抗措置を打ち出す必要に迫られたことにある。
華信によると、台北~高雄は高鉄開通前は平均7割の搭乗率があったが、現在は減便を実施しても低い時で5割にも満たない。客足を守ろうと、華信と遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)、復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)、立栄航空(ユニー航空)の域内航空4社は、今年5月に正規料金であればどの航空会社でも利用できる共通チケットサービスを打ち出したが、乗客の減少は止まらず、同サービスは今月停止に追い込まれた。
このため華信の今回の値下げは、「共通チケットも失敗し、値下げ以外のアイディアが尽きたため」という見方もされているが、各航空会社は挽回(ばんかい)の契機とならないか、期待を込めて見守っているようだ。遠東は、「今は高鉄との競争で非常に重要な時期にさしかかっており、今後華信に続く可能性もある」と語っている。
毎月減便を実施
交通部民用航空局の張国政局長は値下げのニュースを耳にして、「その価格でやっていけるのか?」と驚きを表明した。同局によると、航空4社はハイシーズンの7月、8月も便数を削減するなど、最近はほとんど毎月減便が続いており、9月も台北~高雄が週290便から278便に、台北~台南は149便から132便に減らした。10月分もある業者からすでに再減便の申請があったという。
華信の値下げについて経済日報は、「値下げ競争が止まらなくなるだけで、航空会社はメンツを保っても利益を傷つける」として、うまく行かない」と報じた。その上で、遠東が済州島経由の中国便で成功している例や、復興がマカオ線を増便している例を挙げて、「ビジネスの成り立たない域内よりも、海外に目を向けて生き残りを図るべき」と論評した。
高鉄、航空は眼中になし
高鉄は対抗値下げは行わない方針で、高鉄公共事務処の賈先?副総経理は、「欧州や日本での事例から、距離が600キロを超えると航空有利だが、400キロ以内(台北~高雄は345キロ)では高鉄に対抗できない。域内航空の不振は必然だ」と語った。また、「たとえ台湾西部航空路線の乗客が全て高鉄に乗り換えたとしても、営業目標には達しない」と語り、高鉄のターゲットは飛行機ではなく自動車による旅客だと強調した。
賈先?副総経理はさらに、「都市間の都市交通システム(MRT)」を目指し段階的な増便を行うことを表明。より利用しやすくすべく、インターネット予約システム構築、利用者の5割近くを占めるビジネスマンを狙った「チケット20枚につき1枚プレゼント」優待サービスや、乗客の多い台中や高雄・左営地区のデパートやホテルへの自動チケット販売機の設置など、次々と新しいサービスを行っていく考えも明らかにし、航空業界にとって競争は容易ではないことをうかがわせた。
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