ニュース 電子 作成日:2010年12月17日_記事番号:T00027274
鴻海科技集団(フォックスコン)傘下の液晶パネル大手、奇美電子(チーメイ・イノルックス)は16日、中国・広東省深圳市にタッチパネル生産の子会社を新設すると発表した。投資額は2,000万米ドル。主に鴻海集団が組み立てを担う米アップルのスマートフォン「iPhone」、タブレット型パソコン「iPad」が人気となる中、奇美電はタッチパネルの供給不足が今後2年は続くと予測。アップルへのタッチパネル供給で最大手の宸鴻光電科技(TPKタッチ・ソリューションズ)に挑む。17日付経済日報などが報じた。
鴻海の自製率向上、一貫体制確立
新会社名は鴻奇光電(深圳)で、タッチパネルと部品の生産、液晶貼り合わせを行う。業界関係者によると奇美電の100%出資で、鴻海にとっては孫会社に当たる。鴻海向けに大量出荷が見込め、成長著しいTPKに対抗する実力が期待できる。奇美電は同日、広東省東莞市の液晶パネル後工程モジュール(LCM)生産子会社、東莞奇信電子への328万米ドルの追加投資も発表した。 これにより鴻海集団は、タッチパネルの自製率が向上し供給不足の懸念が減少、一貫生産体制が確立できる上、さらに他社からタッチパネルを調達する際、価格交渉力強化によるコスト抑制効果も見込める。
タッチパネル事業、独立視野か
奇美電は今後、タッチパネル業務を切り離して新会社として独立、上場させる可能性もあるとみられている。奇美電はこの観測について肯定することは避けつつも、「今後タッチパネル事業をさらに積極化することは確かだ」とコメントした。
奇美電のタッチパネル生産能力は現在、台湾が新竹科学工業園区(竹科)竹南基地(苗栗県竹南鎮)と南部科学工業園区(南科)の各2基、深圳が静電容量式と抵抗膜方式タッチパネル工場各1基だ。
段行建・奇美電執行長は今年8月、タッチパネルの売上高が月間20億〜30億台湾元(約56億〜84億円)に達したと語ったが、今や11月売上高88億元のうちタッチパネルが8割を占める勝華科技(ウィンテック)に迫る勢いとみられる。なお同社は、アップルの「iPad」2代目機種や携帯電話向けも現在認証中のもようだ。
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