ニュース 石油・化学 作成日:2010年12月21日_記事番号:T00027331
遠東集団(ファーイースタン・グループ)傘下の化学繊維メーカー、遠東新世紀(旧遠東紡織)は20日、中国石油化工(シノペッ ク)集団傘下で、同業中国2位の中国石化儀征化繊(イージャン・ケミカル)と合弁で、化繊原料となる高純度テレフタル酸(PTA)工場を揚州化学工業園区 (江蘇省)に設立することで投資意向書を交わしたと発表した。年産能力100万トンで、投資額は約38億人民元(約477億円)。遠東新世紀は今後、台湾 の経済部投資審議委員会(投審会)に計画を申請し、着工から2年後、遅くとも2013年には生産を開始したい考えだ。21日付工商時報などが報じた。
遠東新世紀は、上海で設立された同社の前身である遠東針織廠が1949年に台湾へ移って61年目に当たる今年、今後5年間で1,000億台湾元 (約2,800億円)を投じ、売上高を倍増させる目標を掲げている。その中で重要な位置を占めるのが、中台での化繊生産の統合化計画だ。
中国内需市場を好感
同社は、今後の中国化繊産業の発展、特に内需市場の近年の急速な成長に伴うポリエステル需要の逼迫(ひっぱく)を好感しており、以前から中台でポ リエステル原料となるPTAの生産能力増強を計画していた。同社のPTA年産能力は、台湾の桃園県観音工場が100万トン、中国では傘下の上海・亜東石 化が60万トンで、特に中国での増強に強い意欲を示していたものの、中国当局からの認可取得で困難にぶつかっていた。
同社はこうした状況の下、既に中国・国家発展改革委員会より100万トンの工場設置に認可を受けていた儀征化繊との合弁を決めた。投資意向書によ ると新工場は、遠東新世紀が60%、儀征化繊が40%を出資する新会社が設置し、量産開始後は出資比率に応じて遠東新世紀が60万トンのPTAを獲得する ことになる。
遠東新世紀は今回、儀征化繊だけでなく揚州化学工業園区とも投資意向書を交わしており、合弁成立には遠東集団の徐旭東董事長が経済顧問を務める揚州市政府が大きな役割を果たしたことがうかがえる。
さらなる増強も計画
遠東新世紀はまた、儀征化繊との合弁工場以外にも、中台でPTA生産の増強を図り、年産能力を現在の合計160万トンから300万トンまで引き上 げたい考えで、今後300億元以上の資金が投じられる見通しだ。さらに来年は中国で年産70万トン級のポリエステル工場新設に向け、中国当局からの認可取 得を目指す構えだ。
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