ニュース その他分野 作成日:2010年12月22日_記事番号:T00027362
中台間の初の包括的経済連携協定、海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)で取り決められたアーリーハーベスト(関税の早期引き下げ)が、予定通り来年1月1日から実施される。財政部は21日、中国の輸入関税がゼロとなる対象の台湾製品が、従来の539品目から557品目へと拡大したと発表した。ゼロ関税は3年間で段階的に実現する。初年度の来年は、141億5,000万台湾元(約400億円)の税負担軽減が見込まれる。22日付工商時報などが報じた。
今回急きょ対象557品目に加えられたのは、化学品、ステンレス材、製鋼銅材、アルミ材など。
台湾製品に対する中国の輸入関税率は、2011年1月1日に現行税率0〜5%の品目がゼロとなり、同6〜15%の品目は5%に、同16%以上の品目は10%に引き下げられる。翌12年はそれぞれさらに5ポイント引き下げられ、13年に557品目すべてがゼロ関税となる。一方、中国製品に対する台湾輸入関税は来年、現行0〜2.5%の品目がゼロに、2.6〜7.5%の品目が2.5%に、7.6%以上の品目が5%に下げられ、その後2年で同様に2.5ポイントずつ軽減される。
財政部の試算によると、台湾製品の関税引き下げ効果は、12年が152億7,000万元で最大となり、対象製品が残り少なくなる13年は1億5,900万元。なお、中国による関税引き下げ対象は、台湾で生み出した付加価値が40%以上の原産品であることが条件で、台湾製品以外が関税優遇を受けないよう厳格に運用される。
石化製品、対象拡大を視野
経済部の統計によると、対象557品目の09年輸出額138億米ドルのうち、石化産業が43%に当たる59億4,400万米ドルを占めており、関税引き下げ効果が最も大きくなると予想される。石化製品の中国輸入関税は現在5.5〜6.5%のため、来年まず5%に下げられ、12年にゼロ関税が実現する。石化業界は国際競争が激しく、小幅引き下げでも影響は大きいとされる。
ただ、石化業界からは対象が特殊用途のポリスチレンなど8品目に限られ、汎用樹脂、高純度テレフタル酸(PTA)、エチレングリコール(EG)などが含まれないことに不満の声が上がっている。来年3月までに始められるECFA後続交渉で、台湾側は今回対象外となった石化製品、鉄鋼、機械、自動車、電子製品を優先的に関税引き下げリストに加えるよう求めるとみられる。経済部関係者は、日本、中国、韓国による自由貿易協定(FTA)の交渉を視野に、「早い者勝ちの競争だ。交渉が先にまとまった者が恩恵を受けられる」との考えを示した。
Uターン投資や外資誘致に期待
石化製品に次いで09年の対中輸出額が大きかったのは紡織産業の15億8,800万米ドル。中間製品の糸や布地などの関税は現行の平均10%から来年は5%に下がる。工作機械は同11億4,300万米ドルで、関税が現行9.5%から来年5%に軽減する。
石斑魚(ハタ)など関税が10%を超える農漁業品18品目も対象となる。行政院農業委員会(農委会)は、これにより同18品目の輸出額は09年の1,608万米ドルから3年以内に1億1,000万米ドルまで増えると見込む。
家電製品や衣料品など従来型産業も50品目が含まれた。自転車の関税は現在の20%が来年10%に、バイクのタイヤは現在の15%が来年5%に下げられる。
経済部関係者は、関税引き下げ幅が大きいほど効果も大きく、海外に進出する台湾企業のUターン投資や外資の台湾進出意欲が高まると期待感を示した。
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