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台湾大院生が救急車妨害、患者死亡で批判噴出


ニュース 社会 作成日:2010年12月28日_記事番号:T00027457

台湾大院生が救急車妨害、患者死亡で批判噴出

 12月24日夜、脳卒中で意識不明となった女性(86)を乗せた新北市新店消防分隊の救急車が、サイレンを鳴らしながら病院へと急いでいたところ、前方を走行していた乗用車が急ブレーキをかけて妨害。さらにドライバーは窓から腕を出し、救急車を挑発するように中指を突き立てた。その結果、救急車は到着が遅れ、不幸にも女性は死亡してしまった。

 この悪質な妨害行為の一部始終は、救急車のモニターに録画されており、26日にTVBSテレビの視聴者参加型番組がこの事件を取り上げたところ、放送中にドライバーの父親を名乗る人物から電話が。「息子は精神病を患っており、つらくて自殺したいと言っている、もうこれ以上責めないでくれ」と弁護。しかし番組のコメンテーターからは「精神病ならなぜ車を運転していたのか?」「病気を言い訳に罪を逃れようとしている」と批判され、激しい言い争いとなった。

 この番組がきっかけとなり、ネット上でもドライバーに対する怒りが爆発。一部ネットユーザーが「人肉捜索(個人情報の特定)」を発動すると、わずか2日間で10万人が参加。あっという間に、この悪質ドライバーは台湾大学歴史系で博士号取得を目指す33歳の大学院生であると特定された。

 台湾最高学府エリートの悪行に、ネットでの批判はさらにヒートアップした。「何が台大だ。救急車に道を譲るくらい幼稚園児でも知っている」「社会的には失敗した。学歴はもう無効だ」など罵詈(ばり)雑言が飛び交った。

 大学院生の男は既に6年間在籍し、今年博士号を取得する予定だったが、口頭試問で不合格となって卒業できず、ストレスを抱えていたらしい。

 25日に両親の付き添いのもと警察を訪れた男は、「救急車のサイレンに驚いて神経症(ノイローゼ)の発作が起こった」と釈明。服用している薬の袋を見せたという。しかし、警察によると袋に医師の証明はなかったとのことで、詐病だとすれば批判はいっそう強まりそうだ。