ニュース 社会 作成日:2011年1月4日_記事番号:T00027480
胸に垂れたロングヘア。ミニスカートから伸びる足に黒いストッキングとハイヒール。遠目にはごく普通の女性に見える彼女だが、がっちりした骨格や声はどこか男っぽい。
実はこの「彼女」、周逸人さん(34)は性同一性障害の男性だ。性転換手術は受けていないものの、女性らしく美しくありたいという強い願望を持つ。
5年前から台北の馬偕紀念医院の情報室に勤務する周さんが初めて女装で出勤したのは昨年6月のこと。同僚はびっくり、上司からは「病院をクビになりたくなければやめろ」と脅された。
周さんは女装をあきらめ、翌日からはまた男っぽい服装で出勤。しかし、自分が自分でないようなうっ屈した気持ちに耐えられず、9月から再び女装出勤を開始した。
とはいえ女装に対する周囲の目は冷たく、同僚からは仕事を回してもらえず、トイレは女性用を使っていたが、使用時間を制限された。そしてとうとう昨年末、病院から解雇通知を受けた。
「女装が原因で解雇し、病院側は私を変態扱いした!」と憤慨する周さんだが、病院側はこれを否定。しょっちゅう席を外して仕事をサボる、女性トイレの使用に固執し、女性職員たちに迷惑を掛けた、というのが解雇理由としている。
しかし周さんは、仕事を怠けたことはなく、席を外す時間が長かったのは、わざわざ遠い場所にある女性トイレに行くためだったと説明。解雇は性差別に当たるとして病院側を訴える考えだ。
労工局によると、就業服務法には「雇用主は従業員の性別、宗教、容貌などで差別してはならない」との規定があり、これに違反したと判断された雇用主には30万〜150万台湾元の罰金が科せられる。
「彼」が女性用トイレを使うことに対しては多くの女性職員から拒否反応が出ており、この観点から見れば、病院側が違法と判断される可能性は低い。ただ、性同一性障害者団体理事長のトニー陳氏は、「社会はこの障害者にもう少し配慮すべきで、馬偕医院は寛容力に欠ける」と批判している。
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