ニュース 社会 作成日:2011年1月5日_記事番号:T00027512
台湾で大人気のテレビアニメ『烏龍派出所』をご存じだろうか?実はこれ、日本の人気アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治原作、通称『こち亀』)の台湾でのタイトルだ。
『こち亀』は、1976年から30年以上にわたり続いている『週刊少年ジャンプ』の最長連載漫画で、テレビアニメやドラマ、映画、ゲーム化もされている。主人公の中年警察官・両津勘吉巡査長が、同僚たちとどたばたを繰り広げるギャグ漫画だ。台湾で「烏龍」は「間抜け」という意味があるので、中国語の『烏龍派出所』はまさにぴったりのタイトル。
ところで、『こち亀』の舞台、「葛飾区亀有公園前派出所」は日本には実在しない架空の交番だ。ところが、台湾のファンがインターネットで調べたところ、屏東県新園郷に「烏龍派出所」があることが判明した。この情報はネットで瞬く間に広がり、多くのファンが押し寄せることに。
ところが、ネットのデータは古かったらしい。「烏龍派出所」は10年以上前に「興龍派出所」と改名されていた。がっかりしたファンはあきらめきれず、「烏龍」と関係のある場所がないかと周辺を探し回ったところ…。なんと、派出所から100メートルほど離れた場所に、その名も「烏龍国民小学」という小学校があった。こうして、それまで無名だった同校は、たちまち人気の観光スポットになったというわけだ。
烏龍国小は80年以上の歴史を持ち、併設の付属幼稚園も含めると園児・児童数は約500人と県下ではマンモス校。昨年就任したばかりの陳文昌校長は、友人たちから「烏龍(間抜けな)校長」とからかわれても意に介さず、「全台湾で唯一」の校名が自慢だ。同校を訪れる観光客には「皆さん『烏龍』がお好きなんでしょ」と、自ら烏龍茶を振る舞う。
烏龍派出所がなくなったおかげで、有名になった烏龍国小。今では休日になると、校門で記念撮影をする観光客が絶えないという。
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