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鉄鋼好調、春節返上で操業


ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2011年1月5日_記事番号:T00027540

鉄鋼好調、春節返上で操業

 国際鉄鋼市場の好転と鉄鋼価格の上昇見通しを受け、川上から川下までの鉄鋼メーカーの受注が昨年の低迷時に比べ20〜30%増加している。第1四半期の受注が250万トン以上と見込まれる中国鋼鉄(CSC)や、燁輝企業、盛餘(SYSCO)、東和鋼鉄企業(東鋼)などは、需要に対応するため、春節(旧正月)期間も休み返上で操業することを決めた。5日付工商時報が報じた。

 欧朝華CSC総経理は、国際市場が引き続き楽観でき、鉄鋼の原料である石炭や鉄鉱石の価格も上昇し続ける中、川下の調達意欲が高まっていると説明した。同社は、春節期間も除夕(大みそか)に当たる2月2日から、旧正月5日目に当たる7日までも生産ラインを通常通り交代制で稼動させると語った。休み返上で稼働するのは、▽高炉4基▽転炉▽熱延▽冷延▽連続焼鈍▽溶融亜鉛めっき▽鋼板▽鋼棒──の各生産ライン。

 CSCは今月13日に3月の台湾域内市場向け価格を発表する予定だが、軒並み引き上げると予想される。CSCは1〜2月の受注が早くから満杯になっているほか、3月の受注も懸念がなく、第1四半期の受注量は金融危機当時を30%以上上回る250万トンに達する見通しだ。

昨年の低迷を脱出、米景気も後押し

 めっき鋼および焼付鋼大手、燁輝企業の呉林茂総経理は、2月の受注が生産能力の85%に上っており、満杯になる見通しのため、春節期間の通常操業を決めたと語った。受注が満杯になれば単月10万トンで、昨年下半期の低迷時と比べて10〜20%の増加幅だ。

 同じくめっき鋼および焼付鋼大手、SYSCOの程賛育総経理も、米国景気の好転と鉄鋼価格の上昇で、亜鉛めっきや被覆コイルの受注は2月末まで満杯となっていると指摘。単月の受注量は5万トン以上で、昨年下半期の市場低迷期に比べて30%成長しているため、春節休みの返上を決めたと語った。

 鉄筋大手の東鋼は、鉄筋や形鋼などの製品の出荷量が単月15万トン以上に上り、昨年の低迷時より25%以上増加した。同社もこのため桃園、苗栗、高雄の3工場で春節休みを返上することを決めた。

ステンレスも大幅受注増

 このほか、ステンレス厚板の有益鋼鉄も春節期間の通常運転を決めた。劉憲同董事長によると、単月の生産量は4,500〜5,000トンで、昨年下半期の同3,500トンと比べて30%以上増加している。

 カーボンスチール(炭素鋼)やステンレス鋼材の燁興企業は、現在の受注量は単月7万2,000トンで、昨年第3四半期比で20%以上増えているため、春節期間も稼動を停止しない方針だ。単月受注量は昨年以降、2009年上半期比で50%以上成長し、常に1万5,000トンを上回っている。

【表】