ニュース 社会 作成日:2011年1月6日_記事番号:T00027542
17歳で事故に遭い植物状態となった女性、王暁民さんが、47年間の寝た切り生活の末、昨年、64歳でその生涯を閉じていたことが分かった。王さんは植物状態の患者として、台湾で最も長生きしたケースとみられる。
自転車をこいでいた少女が、台北市内の交差点でタクシーに追突されたのは、1963年のことだった。当時彼女は名門、台北第二女子中学(現在の中山女子高級中学)に通う高校2年生。バスケットボール部に所属し、マーチングバンドの指揮も務める活発な少女だったが、事故によって青春を奪われた上、機械で命を維持する植物状態に陥ってしまった。
この王暁民さんのニュースは当時、台湾社会の大きな関心を呼び、各界から多くの援助の手が差し伸べられ、67年には米軍の協力を得て医療専用機でニューヨークの病院へ運ばれ治療を受けた。しかし、効果はなく病状は回復しなかった。
とはいえ、両親や3人の妹たちが懸命に介護を続けた結果、王さんはまばたきや歯ぎしりで意思表示をするまでになった。家族は「世間は植物状態というけれど、私たちはそう思っていない」と、知覚がある王さんに奇跡が起こることを祈り続けた。
96年に母親が、99年に父親が相次いで亡くなると、妹たちはメディアの取材や社会福祉機関の支援を拒否した上に住所も変えたため、彼女の存在は次第に社会から忘れられていった。
王さんの死亡が分かったのは、彼女が最後に住んでいた高雄市の心身障害福祉科が、高雄県との合併による資料整理で、王さんの障害者手帳が昨年3月に取り消されていることが判明したからだ。
母親の趙錫念さんは生前、自身が胃がんを患い先が長くないと悟った際、娘の安楽死を求める書簡を何度も総統府に送り、当時大きな議論を呼んだ。しかし、安楽死に対するコンセンサスは現在でも得られておらず、このほど立法院で末期がん患者などを対象に家族の同意があれば治療を中止することができる「安寧緩和医療条例」改正案が可決されたが、植物状態の患者は対象外となっている。
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