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大みそか恒例の101花火、「大失敗」と批判噴出


ニュース 社会 作成日:2011年1月7日_記事番号:T00027573

大みそか恒例の101花火、「大失敗」と批判噴出

 大みそかの恒例イベント、台北101ビルのカウントダウン花火ショーは今年、中華民国100年の節目に当たり、前年の2倍に当たる6,000万台湾元が投じられたにもかかわらず、クライマックスシーンが出現しないなど大失敗に終わり、台北市政府に対し「イベントに協賛した政府系企業に利益を図ったためだ」などと批判が続いている。


中華民国100年を祝して花火で「100」の数字が浮かび上がった。ここまではよかったのだが...(中央社)

 期待外れの内容は、例えば、らせんを描きながらビルを下から上へと力強く駆け上るはずだった「ドラゴン花火」が「ミミズ」にしか見えず、また、ビルが花火に包まれてロケットと化すクライマックスも実現しなかった。

 批判に対し趙心屏・台北市政府スポークスパーソンは、「台北101は独立した企業で、花火イベントの入札に市政府は関係していない」と反論。その上でパフォーマンスが失敗した原因については、12月27日の予定だった米国人エンジニアの台北到着が、ニューヨークの大雪で30日にずれ込んだ上、高所での作業に不慣れだったため、コンピューターシステムの構築が間に合わなかったと説明した。

 なお今回のショーを指揮したのは、中国福建省出身の世界的な現代美術家、蔡国強氏。これまで花火を使った作品やパフォーマンスを数多く手掛けており、02年の上海APECや08年の北京五輪、09年の中国建国60周年の花火ショーなど豊富な演出経験を持つが、蔡氏にも今回の失敗に批判が集まっている。

 こうした中、蔡氏は先日、週刊誌のインタビューで、「北京と違って台北市政府は行政効率が悪かった」と不満を漏らしたようだ。しかし市が電話で確認すると、蔡氏は「台北市政府に対しては何の不満ない。記事は誤解だ」と語ったといい、市が6日発表した同氏の声明でも、「花火は当日までにすべて台北101ビルに運び込まれていた」と市の不手際を否定した。

 最大の「見せ場」が消えたことに蔡氏は「唯一の遺憾」とコメントしているが、厳しい冷え込みの中、楽しみに駆けつけた市民にとってはそんなものでは済まないだろう。