ニュース 電子 作成日:2011年1月11日_記事番号:T00027661
米国系証券会社によると、ノートパソコン受託生産最大手の広達電脳(クアンタ・コンピューター)がこのほど、米ヒューレット・パッカード(HP)の新機種で、受託価格の引き上げが認められた。原材料価格と台湾元の上昇を受けての措置で、値上げの動きが他の受託生産業者にも波及していくのか注目される。11日付工商時報が報じた。
同証券会社のアナリストによると、受託価格の引き上げ幅は生産コスト上昇幅の70〜80%程度だが、クアンタの粗利益率向上に貢献する見通しだ。引き上げは下半期の受注分の数種類が対象だという。
クアンタと並んでHP製品を受託生産している鴻海科技集団(フォックスコン)、英業達(インベンテック)も同様に価格引き上げが認められるのか、また、宏碁(エイサー)など他のブランド大手もHPに倣って受託生産価格の上昇を受け入れるのかが、今後のノートPC産業のサプライチェーンおよび販売市場の動向を占う上で焦点となる。
業界最大手に返り咲き
クアンタが10日発表した昨年12月の連結売上高は、前月比4.2%減、前年同月比5.26%増の960億9,800万台湾元で、昨年通年の連結売上高は過去最高の1兆92億元(約2兆8,700万円)と1兆元の大台に乗った。台湾企業で年間売上高が1兆元に達したのは鴻海精密工業に次いで2社目だ。
通年の出荷台数は5,210万台で仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の4,820万台を上回り、業界首位の座を回復した。証券会社は、クアンタの出荷台数は今年6,000万台に達すると予測している。
なお、コンパルの12月売上高は、前月比13.7%減、前年同月比15.1%減の605億4,400万元だった。同月は大手顧客であるエイサーが在庫調整を行ったため、出荷台数が350万台にとどまった。同社は業界のオフシーズンである今年第1四半期について、前期比で横ばいまたは小幅な出荷増を見込んでいる。
3Mとの提携を拡大
クアンタは10日、米スリーエム(3M)とタッチパネル技術分野での戦略提携を拡大すると発表した。タブレットPCの商機を獲得すべく、合弁会社の設置や合弁生産を行う可能性もあるという。
3Mが独自開発したDST技術は、50点の接触点の同時検出でき、より細微なタッチ感を実現。手書き機能にも対応している。ディスプレイに占める面積も大きくないため中小型ディスプレイ機器に適しており、クアンタのノートPC、タブレットPC、低価格ノートパソコン(ネットブック)、および一般のハンドヘルド機器生産への応用が見込まれる。
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