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中秋節のバーベキューにも環境保護の波


ニュース 社会 作成日:2007年9月21日_記事番号:T00002774

中秋節のバーベキューにも環境保護の波

 
 月餅やブンタンも欠かせないが、台湾で中秋節といえば何といってもバーベキューだ。家の軒先やベランダ、公園や空き地などにモクモクと煙が立ち上るこの日は、実は台湾の「環境災難日」でもある。

 行政院環境保護署が発表している大気汚染指数(PSI:0~50が良好、51~100が普通、101~199が不良、200~299が非常に不不良、300以上は有害)によると、昨年の中秋節前にPSIが100を超した観測地点は全国で2カ所のみ。しかし、中秋節当日には16カ所へと急増し、翌日には7カ所に減ったという。

 環境保護署は全土各地で行われたバーベキューの影響で、中秋節当日における大気中の一酸化炭素濃度は32%、窒素酸化物濃度は14%、浮遊粒子状物質(大気中に浮遊する直径10ミクロン以下の粒子)は11%増加したと見ている。この一酸化炭素の増加量は、大台北地区の自動車およびバイクの半数が一斉に路上を走った場合に発生する量にも相当するという。

 木炭の燃焼で発生する二酸化炭素は地球温暖化の最大の原因だが、不完全燃焼を起こした場合、ポリ塩化ビフェニル(PCB)やダイオキシンを発生する可能性もある。量販店などで販売されている木炭の8割以上は、形が不揃いで割れやすく、燃焼したあともずっと煙が出続ける粗悪品。こんな木炭を使ったバーべキューは自殺行為にも等しいという。

 いまや国民的行事となった中秋節のバーベキューだが、今年は花蓮県などで環境保護のため「中秋節にバーベキューをしない運動」が起こっており、環境重視の時代の流れをうかがわせる。