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TSMC、Q3まで受注見通し


ニュース 電子 作成日:2011年1月17日_記事番号:T00027782

TSMC、Q3まで受注見通し

 半導体設備業者によると、TSMCの主要顧客であるフリースケール・セミコンダクタが仙台工場および仏トゥールーズの6インチウエハー工場を閉鎖して、TSMCの6インチ工場「Fab2」に生産を委託したことや、▽テキサス・インスツルメンツ(TI)▽STマイクロエレクトロニクス▽オン・セミコンダクタ▽アナログ・デバイセズ(ADI)──なども2月以降に同社8インチ工場に生産を委託する予定であることから、TSMCの6インチおよび8インチ工場は3月に生産ラインが満杯となる見通しだ。

 TSMCはまた、今月初めの米家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」の開催以降、40ナノプロセスの受注が急増している。これは、インテルの新世代CPU(中央処理装置)シリーズ(開発名:Sandy Bridge)のグラフィックスコアがDirectX 10.1にしか対応しないため、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のDirectX 11対応グラフィックスチップの需要が増大してTSMCへの委託が増えているためだ。

12インチラインはフル稼働

 またAMDの次世代プロセッサー「オンタリオ」や「Zacate」をODM/OEMメーカーが大量に採用していることや、スマートフォンおよびタブレット型パソコンの人気により、クアルコム、マーベル・テクノロジー、エヌビディアによるARMアーキテクチャー採用のプロセッサー需要が拡大していることも、TSMCにとって恩恵となっている。TSMCの12インチ工場は既に全ラインでフル稼働となっており、65/55ナノ、40ナノプロセスは7月まで受注で埋まっている状態だ。

 こうした状況を受け証券会社は、前期比5%減と予測していたTSMCの第1四半期連結売上高が横ばいとなり1,100億台湾元(約3,140億円)を維持する可能性もあるとみている。

中堅ファウンドリーも受注拡大

 なお、TSMCがフル稼働となっていることから、生産能力を確保したいIDMは、その他のファウンドリーとの協力を模索し始めており、聯華電子(UMC)と世界先進積体電路(VIS)がこのほど、TIから0.35マイクロメートルの受注を獲得して8インチ工場の稼働率が90%以上に回復した。

 昨年第4四半期の稼働率が60%にとどまった中堅ファウンドリー、台湾茂矽電子(モセル・バイテリック)、漢磊科技(エピシル・テクノロジーズ)も、今年に入ってIDMからアナログICを受託しており、稼働率が急速に上昇している。

【表】