サムスン電子が20日、電子ブックリーダーや携帯電話、マルチメディアプレーヤーなどに応用が可能なエレクトロウェッティング方式の電子ペーパー技術を保有するオランダのリクアビスタ社を買収したと発表した。電子ペーパー世界最大手、元太科技工業（ＥＩＨ）への影響が注目されるが、劉思誠同社董事長は同日、「電子ブックリーダーなど関連応用市場の規模拡大にプラス」と楽観的な見方を示した。
サムスンはもともと元太の顧客で、昨年電子ペーパー関連事業から撤退していたが、液晶パネル最大手の地位、および自社ブランドを抱え販路に強みを持つことを考慮し、再度同市場での展開を決めたもようだ。
リクアビスタのエレクトロウェッティング技術は、既存技術に比べ応答速度が70倍、消費電力が10分の１とされる。しかし劉董事長は、「同技術が量産・販売可能となるにはまだ時間が必要で、長ければ数年かかる」と語り、サムスンが再び元太から調達を行う可能性が高いとの見方を示した。
