ニュース 社会 作成日:2011年1月24日_記事番号:T00027902
22日午前7時すぎ、宜蘭市で中小企業の会計係として働く林静如(37)さんは、前日に集金した現金110万台湾元を入金するため、車で郵便局に向かおうとしていた。出発しようとしたときに携帯電話が鳴ったので、林さんは現金の入ったバッグをトランクの上に置いた。
通話を終えて発車した林さん、1キロほど運転したところでハッとした。急いで車を止めたが、既に後の祭り。バッグは消えていた。林さんは来た道を後戻りし、血眼で探したが見つからない。泣きながら派出所へ駆け込み、警官と一緒にもう一度探したが無駄だった。
仕事をクビになる覚悟はしたものの、こんな大金どうやって弁償すればいいのか…。途方に暮れながら派出所に戻った林さんを待っていたのは、なんと彼女のバッグを拾ったというおばあさんだった。
バッグを拾った楊黄牡丹さん(67)は、朝食を買いに出た際、偶然林さんのバッグを発見。中には見たこともない大金が入っていたので、「きっと落とし主はあわてているはず」と思って届けたそうだ。
民法の規定では、拾得者は遺失者に対して当該物件の3割に相当する報労金を要求することができる。ところが、楊黄さんは3割の33万元どころか、林さんが差し出したお礼も「落とし主だって安月給なんだから」と受け取らない。やっとのことで3,000元だけ受け取ることに同意した。
25年前に夫を亡くし、女手ひとつで1男5女を育て上げた楊黄さんは現在、3人の子どもと4人暮らし。楊黄さんも廃品回収業を営んで家計を助けているが、一家の月収はわずか5万元。約2年分もの収入に相当する額を拾ったにもかかわらず届け出たことにメディアは「貧しいのに欲に目がくらまなかった。拍手ものだ」と大絶賛だが、楊黄さんは「お金を拾ったら持ち主に返すのは人としての基本」と当たり前の顔だ。
23日、楊黄さん宅を表彰に訪れた宜蘭県長は、彼女を「模範母親」として推薦することを決定、仕事が見つからない息子の就職先を世話することも約束した。楊黄さんにはこれが最高の見返りだったかもしれない。
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