ニュース その他製造 作成日:2011年1月26日_記事番号:T00027988
鴻海科技集団(フォックスコン)は25日、太陽電池大手、益通光能科技(イートン・ソーラーテック)の第三者割当増資をすべて引き受け、持ち株比率44.7%の筆頭株主になったと発表した。今回の出資額は40億4,000万台湾元(約114億円)。太陽電池市場は徐々に飽和化が進み、大規模・低コスト戦略の鴻海集団が強みを発揮しやすい状況となっている。本格参入は業界各社の脅威となりそうだ。26日付工商時報などが報じた。
丁祈安・鴻海副総経理(広報担当)は、イートンとの提携を通じて太陽電池、モジュールなどの垂直統合を進めれば、相互補完効果が生まれるとメリットを説明した。イートンへの出資額の内訳は、▽鴻揚創業投資、18億元▽建漢科技(サイバータン・テクノロジー)、9億8,000万元▽利億国際投資、6億元▽宝鑫国際投資、3億6,000万元▽鴻棋国際投資、3億元──。
イートンは2009年に23億4,000万元、昨年第1〜3四半期は25億5,000万元の赤字を計上。損失を補うため、▽第三者割当増資、1株20元で3億株▽転換社債型新株予約権付社債の発行、60億元──を臨時株主総会で決定しており、このうち第三者割当増資2億200万株を今回実施した。
鴻海に最適の市場
ハイテク大手の太陽電池市場参入は、台湾積体電路製造(TSMC)が2009年に最大手の茂迪科技(モーテック・インダストリーズ)に62億元を出資したほか、聯華電子(UMC)、友達光電(AUO)もグループを挙げて進めている。既存メーカーの生産能力増強も相まって、太陽電池市場は粗利益率が下がり、潤沢な資金と一定規模以上の生産能力がなければ、競争に後れを取って出荷先を確保できない厳しい環境となっている。
こうした市場こそが「強力調達」「強力販売」の経営モデルを取る鴻海集団には最適で、垂直統合を進めれば他社は押しつぶされ、新規参入の障壁になる可能性もあると業界で恐れられている。
薄膜のオーリア買収か
業界では鴻海集団が次に太陽電池用シリコンウエハーまたは薄膜太陽電池メーカーを買収し、その対象はイートンが株式を処分する宇通光能(オーリア・ソーラー)との見方が強い。ただ蔡進耀・宇通董事長は「今は何も協議していない」とコメントした。
鴻海集団は、中国3位の太陽電池メーカー、英利集団との提携で、山西省大同市で太陽電池用多結晶シリコンの生産に取り組むとも昨年10月に報じられている。
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