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お年玉5億元に群がる人々、中国慈善家が大人気に


ニュース 社会 作成日:2011年1月28日_記事番号:T00028021

お年玉5億元に群がる人々、中国慈善家が大人気に

 いま、春節(旧正月)を目前に控えた台湾で、中国人慈善家の大フィーバーが起こっている。26日付小欄で紹介した、「中国一の慈善家(中国首善)」の称号を持つ陳光標氏(江蘇黄埔再生資源利用の董事長、42)がその人。5億台湾元以上に相当する1億3,000万人民元(約16億円)という超ビッグなお年玉を求めて、来台中の陳氏に大勢の台湾人が群がっているのだ。

 陳氏のお年玉を獲得した最初の台湾人は、自身も障害を持ちながら、盲目の母親を世話している老婦人(67)だった。陳氏の宿泊先、台北市の円山大飯店(グランドホテル)のロビーで一晩中待機していた老婦人は、27日午前10時すぎに陳氏が現れるや、低所得層の証明書を提示し「私にはお年玉が必要なんです」と、涙ながらに訴えた。

 そんな老婦人に陳氏は気前よく1万台湾元(約2万8,500円)のお年玉が入った紅包(赤い祝儀袋)を差し出した。老婦人が「昨夜は一睡もせずに待っていたんです」と話すと、陳氏はもう1万元追加し、「私には目の見えない88歳の母がいます」と言うと、陳氏は即座に「お母さんへ」と5万元のお年玉を与えた。

 計7万元を獲得した老婦人は「こんな大金もらったことない」と大喜び。涙を流しつつ、「生き仏さま、大善人」と陳氏に対する感謝を述べた。

 陳氏はこのほかにも、市内のレストランまで追い掛けてきた男性に対して1万元の、男性のめいという5歳の女児には5万元のお年玉をそれぞれ振る舞い、きっぷのよさを見せた。

 午後は最初のお年玉配給地、新竹県へ。陳氏は県政府の大ホールに集まった305人に1万元のお年玉を配ったほか、児童の給食代として60万人民元を寄付。社会福祉団体9カ所にもそれぞれ5万〜15万台湾元を寄付した。


陳光標氏(右2)から社会的弱者への寄付として400万台湾元の小切手を模したプレートを受け取った古素珍・新竹県婦女聯合会理事長(中)(27日=中央社)

 陳氏からのお年玉に、父親が獄中にいるという15歳の少年は「これで安心して年が越せる、学費も心配いらない!」と大喜び。小学生の娘を連れてやってきた女性(45)は、「メンツより生活の方が大事」。中には「感謝はするけど、やっぱりみっともない」という男性もいた。

 陳氏が27日にばらまいたお年玉は計320回、328万元に上る。317人が恩恵を受けたが、実は幸運な人ばかりではなかった。2,000元を借金してバスで高雄市から新竹県までやってきた女性(45)は、県政府前で3時間待ったが陳氏には会えずじまい。母親の葬儀代と子どもの生活費を請うため、新北市からやってきたシングルマザーの女性(51)は、警官にさえぎられて近づけず、大声を上げて泣き崩れた。

 陳氏は29日は南投県、30日は花蓮県を訪れる予定で、新聞にはスケジュールが詳しく報じられている。台湾の「陳光標フィーバー」はまだまだ終りそうにない。