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インテル出荷遅延、PC買い替えに影響


ニュース 電子 作成日:2011年2月8日_記事番号:T00028076

インテル出荷遅延、PC買い替えに影響

 米半導体大手、インテルは7日、春節(旧正月)前に不具合が見つかった最新CPU(中央演算処理装置)「サンディ・ブリッジ(開発コード名)」をサポートするチップセットの出荷を2月末に開始する見通しを示した。今回の出荷一時停止を受け、消費者のパソコン買い替え時期が先送りされ、宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)などの第1四半期売上高が約2%減少するとの予測が出ている。一方、新チップセットでの出荷を急ぐPC受託メーカーなどからの追加受注で、台湾のIC設計業者が恩恵を受ける見通しだ。8日付工商時報などが報じた。



  インテルは1月9日の「サンディ・ブリッジ」発売から1カ月足らずの31日、デスクトップPC向け「H67」「P67」、ノートPC向け「HM67」「HM65」の出荷停止を発表した。今回明らかになった不具合は、問題のチップセットの「Serial ATA(SATA)」ポートを構成する回路の一部が、時間の経過と共に劣化するというもので、同ポートに接続したハードディスクや光学ドライブの性能や機能に影響を与える恐れがあるという。

 これにより、春モデルの発売を控えたPCメーカーのほか、マザーボード、プリント基板、メモリー、USB3.0チップなどを生産する台湾メーカーは、今年上半期の出荷予想の下方修正が避けられない見通しだ。

 エイサーはこれに関し、影響の度合いは調査中だとしている。ASUSは2月売上高への影響は5%ほどとみている。また、「問題のチップセットを搭載した製品は、これまで少なくない量を出荷した。影響を受けるマザーボードの保証条件を見直し、消費者に交換の猶予を与える」と説明した。同社は既に購入者に今回の問題に関する通知を開始した。

 業界関係者は、仮にインテルが3月も出荷できなければ、PCメーカーの第1四半期売上高に2%ほどの影響を与えるものの、現時点では前期比5〜10%減の水準に落ち着く予想、との見方を示した。

PCメーカー、早期出荷に躍起

 PC受託メーカーやマザーボードメーカーは、新チップセットの早期入手、製品の出荷を目指して、PC関連のチップメーカーに緊急発注を行って対応を急いでいる。証券会社は、▽I/Oチップの聯陽半導体(ITEテク)▽USB3.0チップセットの智原科技(ファラデー・テクノロジー)▽無線通信チップの瑞昱半導体(リアルテック・セミコンダクター)、雷凌科技(ラリンク・テクノロジー)──などが恩恵を受けると予測した。

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