ニュース 電子 作成日:2011年2月10日_記事番号:T00028136
スマートフォン最大手、宏達国際電子(HTC)と通信キャリア最大手、中華電信は9日、戦略提携の覚え書を交わした。アジア太平洋市場で欧米市場ほどの好成績を挙げられていないHTCは今年、台湾を重点市場と位置付けた上で、コンテンツやクラウドコンピューティング分野への展開拡大を通じて付加価値サービスを強化、端末の販売増につなげたい考えとみられる。10日付工商時報は、中華電信との提携は華人市場開拓に向けた最良の訓練となると指摘した。
覚書に署名を行った呂学錦・中華電信董事長(左2)と周永明HTC執行長(右2)(中華電信提供)
HTCと中華電信は2006年から提携関係にあるが、今回新たに▽カスタマイズ付加価値サービス▽高速モバイルブロードバンド▽マーケティングリソースの統合▽端末機器──の4分野での協力を盛り込んだ覚え書を交わして提携を強化することとなった。
具体的には、中華電信がHTCのモバイル機器向けに付加価値サービスをカスタマイズ・ローカライズし、世界のHTCユーザーに同社の豊富な中国語コンテンツを提供する。
中華電信は今年、HSPA+基地局2,000台設置、第3世代(3G)ネット接続速度の21Mbpsへの向上、Wi−Fiホットスポット2万カ所増設を計画しており、HTCはモバイルブロードバンド・ネットワークの利用拡大に向け、高速インターネット端末の発展に全力を尽くす。HTCはスマートフォンのほか、タブレット型パソコンも近く中華電信から発売するとみられる。 マーケティング分野では、両社はリソースを分担し、実体店舗、屋外広告などで協力する。なお、今後中華電信のショップ内にHTC専売店を設置するとの観測も出ている。
クラウドでの協力拡大も
呂学錦・中華電信董事長は「2011年はモバイルインターネットの利用および関連機器の需要が急速に成長する1年となる。当社のネットワークとHTCの端末を組み合わせれば、台湾モバイル通信市場は輝かしい業績を挙げることができる」と強調した。
両社は今後、クラウドコンピューティング分野でも協力を拡大する方向だ。ただ、中華電信は「まずクラウド技術およびプラットフォームを通じた付加価値サービスの提供を中心とする」と強調しており、HTC製品を通じて世界市場の開拓に乗り出すかどうかについて呂董事長は、「HTCの意向を尊重する」と語った。
台湾販売台数、今年は倍増目指す
業界関係者によると、台湾市場における昨年のスマートフォン販売台数は190万〜200万台で、そのうちHTCは約60万台を占めたとみられる。今年は、携帯電話市場でスマートフォンの占める割合が40〜50%へと拡大し、販売台数も280万〜350万台に増加すると予測されるが、HTCはこの成長率を上回る倍増を目指す。
なおHTCは、中華電信以外に、台湾大哥大(タイワン・モバイル)、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコム)とも提携交渉を行っているとされる。
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