ニュース 法律 作成日:2011年2月11日_記事番号:T00028138
行政院衛生署が、楊志良・前衛生署長退任を翌日に控えた8日に、インフルエンザ・ワクチンに関するデマを流し社会に悪影響を及ぼしたとして、野党・民進党寄りの三立テレビのトーク番組「大話新聞」の司会者およびコメンテーターの計7人を台北地検署に告訴していたことが分かった。
台湾のテレビで人気のトーク番組には「名嘴」と呼ばれ、歯に衣着せぬ発言で批評を展開するコメンテーターの存在が欠かせない。さらに台湾のトーク番組は政治色が濃く、閣僚がやり玉に挙げられることも多いため、任期中度々批判にさらされた楊前署長は、ずっと腹に据えかねていたようで、最後に復讐(ふくしゅう)に出た格好だ。
10日に年代テレビの番組に出演した楊前署長は「在職中、最も遺憾だったこと」として、昨年新型インフルエンザ(H1N1)が流行した際、コメンテーターが「ワクチンは安全でない」というでたらめな情報を流し、ワクチン接種率が落ちたことだと述べた。
楊前署長によると、衛生署が新型インフル流行を受けて購入したワクチンの接種は、当初週138万本にも達したが、副作用などの問題が大きく報じられるや約11万本に激減、接種率はわずか38%と低迷した。
その影響は現在も残り、今年の春節(旧正月)には9人がインフルエンザで死亡したが、いずれもワクチンを接種していなかった。楊前署長は「私には責任がある。間違った考えを正すために行動しなければ、申し訳が立たない」と告訴に踏み切った理由を説明。コメンテーターに対しては「地獄に落ちるべきだ」と厳しく糾弾した。
訴えられた司会者、鄭弘儀氏は「討論内容は、衛生署疾病管制局とカナダ、米国の疾病管制局の情報に基づいたもの」と正当な根拠があると主張。逆告訴も視野に入れている。他のコメンテーターも、真っ向から争う姿勢だが、衛生署の訴えが認められた場合は50万台湾元以下の罰金が科せられる。
メディアの社会的責任が問われる一方、政府による告訴は報道自粛の姿勢を招き、表現の自由が阻害されるとの懸念もある。
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