ニュース 社会 作成日:2011年2月17日_記事番号:T00028256
蔡坤霖さん(51)は、長距離バス会社、統聯汽車客運(Ubus)のベテランドライバー。16日は午前6時30分発の台中〜台北便を運転した後、1時間の休憩を取り、再び午前9時50分発の台北〜台中便に31人の乗客を乗せてハンドルを握った。
ところが、バスが台北市内の重慶北路から中山高速公路(国道1号)に入ったところで、蔡さんは急に気分が悪くなった。スピードを落として運転を続けたものの、10時15分ごろ泰山料金所(新北市)近くの国道第一警察隊詰所の前で停車し、そのまま気を失ってしまった。
バスが急に停車したことで、乗客たちは不満の声を上げたが、ドライバーが口から泡を噴き、ハンドルの上に突っ伏しているのを見てびっくり。すぐに目の前の警察隊に救助を求めた。
警察は全身びっしょりと汗をかいて倒れている蔡さんに心肺蘇生法(CPR)を施したが、意識は戻らなかった。直ちに長庚医院へ運んだが、意識不明のまま帰らぬ人になってしまった。心筋梗塞だった。
前方の座席に座っていた乗客によると、「途中でバスが蛇行し始めたのでドライバーを見ると、顔色が悪く、しきりにティッシュで汗をふいていた」という。通常は心血管疾患の発作が起こると、わずか10秒ほどで意識不明に陥るが、蔡さんはなんと15分も意志の力で持ちこたえ、乗客31人の命を守ったことになる。もし途中でバスが横転でもしていたら、と考えると恐ろしい。
親族によると、蔡さんは喫煙はするが、お酒は飲まず、心血管疾患の持病もなかった。また統聯によると、蔡さんは勤務前の血圧およびアルコール検査も欠かさず受けており、この日、勤務前に測定した血圧も、最高111、最低69で正常値だった。ただ、年1回の健康診断で心血管疾患の検査は受けていなかったという。
乗客たちは「彼はたった1人でわれわれ31人の命を救ってくれたが、われわれは彼1人の命を救えなかった」と勇敢なドライバーの死を惜しんだ。
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