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228紀念館の新常設展示、蒋介石を美化?


ニュース 社会 作成日:2011年2月21日_記事番号:T00028317

228紀念館の新常設展示、蒋介石を美化?

 1947年に国民党の抑圧的支配に本省人が蜂起し、武力弾圧により流血事態となった228事件から満64年を迎えるのを前に、台北市の228紀念館で20日、常設展示が更新された。ところが、当時の国民党政権を率い、事件の「元凶」とされる蒋介石元総統を「寛大に事件を処理し、秩序回復に努めた」などと紹介した記述をめぐり、歴史研究家や政界などから疑問視する声が出ている。21日付自由時報が伝えた。


謝英従現館長
は新常設展について、「異なる角度から叙述しただけだ。展示は予定通り行う」と強調した(20日=中央社)

 228紀念館の初代館長を務めた葉博文氏、張炎憲元国史館長らは20日、記者会見を開き、「史実と異なる」「展示内容は故意に蒋元総統を美化しており、市民に誤解を与える恐れがある」と非難した。

 事件の犠牲者、李仁貴・元台北市参議員の孫、李徳振さんは「父親の世代は当時軍隊が鎮圧に当たり、台湾人民を虐殺したと言っているのに、展示はそれをごまかし『公権力の行使』とか『新秩序の構築』などと形容している。受け入れられるものではない」と憤った。

 228事件は戦後の国民党独裁下で長年タブーとされた。しかし、民主化の進行で事件の再評価が進んだことを受け、228紀念館は民進党の陳水扁市長(当時)が主導する形で、事件50年目の1997年に開館した。展示内容は、その後の民進党政権期にかけ、事件は国民党政権による「虐殺」だと位置付ける歴史観がベースとなっていたが、今回の常設展示見直しは、国民党政権の歴史観に沿って展示内容を修正したものと言え、今後論議を呼びそうだ。