ニュース 社会 作成日:2011年2月24日_記事番号:T00028401
セキュリティー分野で普及が進む生体認証で、最もポピュラーなのが「指紋認証」だ。指紋の紋様は人や指ごとにすべて異なり、終生不変という特徴があるためで、手軽で信頼性も高い認証方式だ。
昔は専ら犯罪捜査に用いられていた指紋認証だが、近年では企業などで従業員の入退室管理に利用されるケースも増えている。もちろん、従業員に「指紋がある」ことが前提である。
台北市環境保護局(環保局)内にある自動車修理工場でも一昨年、従業員の入退室管理にこの指紋認証システムを導入しようとしたが、断念せざるを得なかった。理由は従業員の指紋が機械で読み取れなかったからだ。
環保局の自動車修理工場は、従業員132人が働く職場だが、長年、仕事で薬品やオイルを使用しているせいで、手や指の保護膜がボロボロになり、ほぼ全員が指にひび割れを抱えている。
従業員たちの指のひび割れは深刻で、しかも新たなひびが増えるなど毎日刻々と変化する。このため、いったん登録した指紋も個人識別の役には立たない。中でも勤続20年以上という50歳前後のベテラン技師5人の指は、ひび割れを通り越し、指先がつるつるに摩耗して指紋が消えてしまっているため、これでは「識別」のしようがない。
ひび割れた部分に入り込んだ黒い汚れは、いくら手を洗っても取れず、冬や乾燥した天気の日は、ひび割れがひどく痛むという。将来、もしこの仕事を辞めても、指紋は再生しないだろうとも。
はじめは「手の手入れなんて女がすること」と敬遠していた技師たちだったが、「こんな手では人と握手するのはためらう」という状況にそうも言ってはおられず、今ではこまめにお手入れをしているそうだ。
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