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蔡民進党主席、対中関係は「和して同ぜず」


ニュース 政治 作成日:2011年2月24日_記事番号:T00028405

蔡民進党主席、対中関係は「和して同ぜず」

 蔡英文・民進党主席は23日、来年の総統選を見据え、対中関係の基調路線として、「和して同ぜず、同じくして和を求む(和而不同、和而求同)」というスローガンを掲げ、「台湾と中国は、歴史認識、政治制度、アイデンティティーなどすべて異なるが、平和で安定した関係を追求するという面では責任と利益を共有する」と説明した。24日付中国時報などが伝えた。

 新スローガンは、総統選に向けた党内シンクタンクの発足に合わせて発表された。政権奪還を目指す民進党は、中台交流の拡大という現実を見据えながらも、中国接近路線を取る馬英九政権とは一線を画し、台湾意識を価値観の中心に据えた。過去の感情的な「反中色」を払しょくし、有権者の最大公約数的なスタンスを掲げることで、支持層拡大を図る蔡主席の戦略がうかがえる。

 蔡主席は「民進党の両岸(中台)問題への取り組みは、両岸という枠組みにとらわれない国際戦略に基づく思考が必要で、両岸という面のみでとらえても中国との紛争は解決できない」と指摘。その上で、馬政権の対中路線について、「経済面でも政治、外交面でも、すべて中国の価値観が中心。国民党は『和して統一を目指す』路線だ」と断じた。

 これに対し総統府は同日夜、蔡主席が示した対中政策認識について、「空虚で、重要な事柄を避けている」と批判するとともに、「中華民国憲法や中台による1992年の共通認識(92共識)への言及を避けていては、台湾が直面する状況に現実的に対応できない」と指摘した。