ニュース 電子 作成日:2011年2月24日_記事番号:T00028427
パソコン世界最大手、ヒューレット・パッカード(HP)が2011年度の売上高予測を1.5%下方修正したことを受け、HP最大のコンシューマ向けノートPC生産委託先の広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、ビジネス向け主要生産委託先の英業達(インベンテック)、および鴻海科技集団(フォックスコン)など台湾の関連メーカーの業績に悪影響を及ぼすことが懸念されている。24日付経済日報などが報じた。
HPは第1四半期(10年11月〜11年1月)売上高が前期比でわずか4%増の323億米ドル(前年同期は311億8,000万米ドル)にとどまり、証券会社の予測を2%下回った。これを受けてHPは11年度売上高目標を1,300億〜1,315億米ドルへと、従来予測の1,320億〜1,335億米ドルから下方修正した。なお第1四半期の純利益は26億1,000万米ドルで、前年同期(22億5,000万米ドル)を上回った。
HPは通年売上高の下方修正の主因として、中国市場での苦戦を挙げた。同社は昨年、システム不具合問題により中国市場でブランドイメージが悪化。市場調査機関IDCによると、同社の市場シェアは第1四半期の15.6%(2位)から第4四半期には6.6%(5位)へと9ポイントもの大幅下落に見舞われた。
一方、ライバルのエイサーや華碩電脳(ASUS)は中国市場への注力姿勢を強めている。外資系証券会社は、今年PCブランド業界では、企業の買い替え需要と中国市場展開が鍵を握り、宏碁(エイサー)と聯想集団(レノボ)が有利との見方を示した。
ASP下落に懸念
HP関連の台湾サプライチェーンは、▽ノートPC、クアンタ・鴻海・インベンテック▽デスクトップPC、鴻海・和碩聯合科技(ペガトロン)▽サーバー、インベンテック・鴻海──などで、HPの業績悲観予測により、出荷、売上高への影響は避けられない見通しとなっている。またHPがPC販売台数の減少を見込んでいないとした場合、売上目標の下方修正は平均販売価格(ASP)の下落を意味し、台湾受託メーカーの利益が圧縮される懸念がある。
なおHPには今後、高価格帯機種の販売不振から主力機種の値下げを迫られるとの観測も出ている。同社は最近、高価格帯の薄型ノートPC「ENVY13」シリーズで、新たな製品は発売しないと販売会社に通知を行った。
タブレットPCでも苦戦か
注目分野のタブレットPCでは「iPad」のアップルが絶好調で、これもHPにとって不利な要素だ。
クレディ・スイス証券の鄭勝栄チーフアナリストによると、PCブランド各社は、今後2年でノートPC市場の10〜15%がタブレットPCに浸食されるとみている。
鄭アナリストはまた、タブレットPCの市場投入で携帯電話ブランドがPCブランドを先行している現状から、PCブランドは厳しい値下げ競争を強いられるとの予測も示した。
タブレットPC市場では、スマートフォンなどを幅広く手掛ける華碩電脳(ASUS)が、エイサー以上の競争力を期待できるとの見方も提示した。
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