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無人島からSOS、誘拐された台商を無事救出


ニュース 社会 作成日:2011年3月2日_記事番号:T00028489

無人島からSOS、誘拐された台商を無事救出

 中国・広州在住の「台商(海外進出した台湾人企業家)」、夏崇惟さん(40)が帰宅途中に誘拐されたのは、今年1月8日のことだった。夏さんはもともと高雄市大発工業区で金属リサイクル業を営んでいたが、十数年前中国に事業を拡大し、かなりの成功を収めていた。

 夏さんを誘拐したのは、過去に商売上取引があった知り合いの台湾人だった。主犯格の蔡錦雄容疑者(38)ら3人は、昨年12月に夏さんの自宅に監視カメラを設置して行動を把握し、中国人の共犯者とともに誘拐を実行したのだった。

 蔡容疑者らは誘拐8日後、広州在住の夏さんの妻に、身代金9,000万人民元(約11億円)を指定する香港の銀行口座に振り込むよう、電話とEメールで要求。これを受け、夏さんの妻は1月末までに3回に分けて計3,000万人民元を指定口座に振り込んだ。ところが、中国の公安がこの口座を凍結したため、犯人は身代金を引き出すことができなくなった。

 公安は夏さん宅の監視カメラから犯人の指紋を採集し、台湾の警察と協力して捜査を展開した結果、台湾人6人と中国人4人の容疑者を特定。蔡容疑者ら台湾人の犯人は2月に次々と逮捕された。しかし、いずれも口が堅く、夏さんの監禁場所は依然不明のままだった。

 とはいえ、身代金が手に入る見込みもなくなり、逃亡中だった中国人容疑者は3月1日未明、邪魔になった夏さんを漁船に乗せて澎湖島へ。殺害するのかと思いきや、とある無人島に夏さんを置き去りにし、携帯電話を返して「お前は今、馬公にいる」とだけ告げると去ってしまった。

 命拾いした夏さんは、すぐに携帯電話で広州にいる妻にSOS。海岸巡防署(海巡署)が8時間かけて澎湖の島々を探し回った結果、小さなサンゴ礁の島でようやく夏さんを発見。53日ぶりに救出された。

 台商誘拐事件としては、人も身代金も無事というまれなケースとなった。