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中信銀、小型住宅への融資を全面停止


ニュース 建設 作成日:2007年9月27日_記事番号:T00002852

中信銀、小型住宅への融資を全面停止

 
 中国信託商業銀行(CTB)の黄思国個人金融総管理事業処長は26日、「リスクが高すぎる」ことを理由に15坪以下のワンルームなど小型物件(套房)への住宅ローン業務を全面的に停止すると表明した。政府による不動産市場の加熱抑制策を受けて、各金融機関は今年小型物件への融資を相次いで縮小させていたが、全面的に停止するのは中信銀が初めて。他行も追随するとみられ、加熱抑制に一定の効果がありそうだ。一方、「一般の購入者にとり、住宅購入の敷居が高くなる」などの問題点も指摘されている。27日付経済日報などが報じた。
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 中信銀は昨年末に10坪以上の小型物件に特定したローン商品を打ち出していたが、わずか1年もたたないうちの撤退となる。黄処長によると、同ローンの成約件数は数十に過ぎず、売上規模が期待に満たなかったこともサービス停止の理由として挙げた。購入者自身が居住し、申請条件が良好であれば個別に対応するとしている。

 ある銀行幹部によると、住宅ローンの融資残高は今年第2四半期で頭打ちとなっているが、小型住宅向けローンの顧客は7割が投資目的で、不動産市場の景気が悪化した場合、不良債権化する懸念が強い。

 政府も不動産市場バブルを懸念して、すでに各金融機関に住宅ローンの緊縮化を指示しており、各金融機関は融資上限を物件価格の7~8割に抑えたり、金利を引き上げることで、申し込みを事実上拒否するところも出ていた。華南銀行は20坪以下の住宅向けローン金利を最低5%に設定したが、これは現在3%が一般的である不動産ローンと比較して2%も高い。こうした措置の結果、台湾銀行、合作金庫銀行、第一銀行、華南銀行、彰化銀行の5行の8月の新規不動産融資の契約額は350億7,400万台湾元(約1,228億円)と、過去20カ月で最も低くなった。
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成約が大幅減

 「住展雑誌」によると、価格下落リスクの高まりと金融機関の引き締めにより小型物件の販売は目に見えて減少しており、今年上半期の成約率は45%と、昨年までの76%から急落した。また、成約までにかかる時間も長くなったという。すでに昨年末より投資目的の購入者は台北県や台北市郊外の物件の転売を始めており、現在、中古物件の仲介事業者にこうした物件が続々舞い込んでいる。

 現状から見ると、不動産市場の加熱防止策は効果を上げているようだが、一般の住宅購入者はそのあおりを受けている。東森房屋加盟総部の陳偉文経理によると、以前は物件の購入に必要な自己資金は100万台湾元(約350万円)が目安だったが、現在は250万元に上昇している。陳経理は、住宅購入をあきらめる人が今後増えると見ている。一方、経済日報は、「安定した収入があり、台北市の信義区や大安区など人気地域で購入するのであれば、銀行は融資を断らない」と指摘している。