ニュース 石油・化学 作成日:2011年3月4日_記事番号:T00028562
台塑集団(台湾プラスチックグループ)は、第6ナフサ分解プラント(六軽)第5期拡張計画をめぐり、春節(旧正月)後に現地で行われる予定だった「環境評価説明会」を先送りするなど、計画推進に消極的な態度に転じている。背景には、同社がプラント建設にハードルが高い台湾ではなく、対中投資への傾斜を強めていることがある。
4日付蘋果日報によると、台塑集団幹部は「地元住民との交渉が進行中で、この時期に説明会を開けば誤解を招く」と説明会延期の理由を説明した。
一方で、同社幹部は「石油化学プラントへの投資はタイミングを測る必要がある。いったん時期を逃すと、投資効果は大きくない」と述べ、第5期拡張計画の重要性が以前よりも薄れていることを間接的に認めた。
台塑集団では、中国浙江省の寧波プラント第2期で、台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)のゴムプラント、台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)のエチレン酢酸ビニール共重合樹脂(EVA)ラインが既に稼動している上、台湾側の環境基準を満たすためには、六軽第5期の投資規模を大幅に縮小せざるを得ないためだ。
一方、台塑集団は対中投資を引き続き拡大する姿勢を示しており、3日に同社幹部が北京で中国海洋石油(CNOOC)の関係者と会談するなど、積極的な動きを見せている。
台湾で同等の投資求める
しかし、経済部工業局は、台塑集団に対し、台湾で同等の投資を行うことを強く求めている。寧波プラント第2期は対中投資制限の対象には含まれないが、投資金額が5,000万米ドルを超える対中投資案件は経済部投資審議委員会の個別審査の対象となるため、経済部は投資認可を出さないというカードも切ることが可能だ。
経済部関係者は「付帯条件を付け、台塑集団に台湾での投資を強く求めることが可能だ」と述べ、台塑集団の対中投資にブレーキをかけることも辞さない見せており、寧波プラントへの追加投資に微妙な影響が予想される。
なお、先日報じられたシンガポール、ジュロン島への大型投資計画について、台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス、台塑)の李志村董事長は、「まだグループ内部で、投資効果の上がる項目は何なのか、検討を行っている段階だ」と明らかにした。
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