スキンケアブランド「艾莎古薩（ELSAGUSA）」を共に立ち上げ、月商300万台湾元以上を稼ぐリッチなカップル、蔡曜駿さん（38）と任嬿雯さん（37）は、13年間の交際を経て、２年前の09年10月25日にゴールインした。

　二人が披露宴会場に選んだのは、台北101ビルが見える空中庭園レストラン「榭庭園空中花園餐庁」（新光三越Ａ９館内）。料理はビュッフェスタイルにし、普通１人当たり800元のところを、フォアグラやステーキなどが出る豪華な1,280元にグレードアップ。来賓は320人と見込んで計45万元を支払った。

　敬虔（けいけん）なクリスチャンの二人の結婚式には、海外からも神父や修道女が駆け付け、400人収容可という会場は満員に。しかし動線設計が悪く、招待客がお皿片手に長蛇の列を作る大混乱となった。サービスも最悪で、しかも出された料理はわずか40分でなくなってしまった。

　「3,600元もご祝儀を出して、食べたのは生焼けのステーキ一切れだった」と不満を示す客もおり、招待客の９割が空腹状態。さらには、用意した駐車券が足りず、大勢の招待客が自分で駐車料金を支払うなど、レストラン側の手落ちが続出し、招待客たちからは「こんなひどい結婚式は初めて」という声も。

　せっかくの晴れ舞台が散々な結果に終わり、面目をつぶされた新郎新婦に、レストラン側は25万元を返金。さらに新光三越と共同で16万元を出し、高級レストラン「紅豆食府」に20卓の二次会を設けた。しかし、本来無料で提供するとしていた披露宴を撮影したＤＶＤは「どうせ不愉快な思い出だから要らないと思って破棄してしまった」と渡さず、後になってから「８割は復元可能」と３万5,000元を要求。

　堪忍袋の緒が切れた新郎新婦は、「取り返しのつかない苦痛を受けた」とレストランを提訴し、今月８日、慰謝料として80万元の支払いを命じる判決が下った。ただ、レストランは既に営業を停止し、責任者は雲隠れしているという。