ニュース 電子 作成日:2011年3月9日_記事番号:T00028660
経済部は8日、液晶パネル業界の対中投資において、台湾より1世代以上遅れた技術レベルに制限する通称「N−1ルール」の撤廃、および中国企業への出資、買収を解禁すると発表した。既に台湾政府から中国での7.5世代工場設置に認可を受けている友達光電(AUO)は、8.5世代に切り替える可能性が高く、従来から中国に8.5世代工場の設置を目指すと表明していた奇美電子(チーメイ・イノルックス)は計画を加速させるとみられる。経済部は来週明けにも申請受け付けを開始する。9日付電子時報などが報じた。
「N−1ルール」撤廃を発表する黄重球・経済部次長。次の焦点は台湾大手2社がいかなる形で中国側の認可を得るかだ(8日=中央社)
液晶パネル産業の中国投資は、昨年2月に開放された際、「6世代以上の工場を設置する場合、3基を上限とし、台湾に保有する工場より1世代以上遅れたレベルとする」という制限が設けられていた。今回の規制緩和は、このうち技術レベルに関する部分が「台湾の工場と同等以下」に改められた。
一方、中国企業への出資や買収については、出資率の上限や経営主導権を握れるかどうかの制限を設けておらず、「個別内容に基づいて審査する」としている。
規制緩和の理由について黄重球・経済部次長は、「中国テレビ市場の急成長、およびライバルである韓国メーカーとの競争を考慮した」と語った。また一方で「緩和は技術レベルのみで、審査過程や台湾に同等の投資を求めることについては変わりない」と強調した。
AUO、中国メーカー買収か
AUOは昨年12月、中国・江蘇省昆山市に第7.5世代液晶パネル工場を設置する計画が経済部投資審議委員会(投審会)の認可を受けている。今回の規制緩和を受けて同社は「両岸(中台)政府の法規定の範囲内で、最良の投資モデルを選択する」とコメント。今後は8.5世代に計画を変更する可能性が高いとみられ、黄経済部次長も「AUOは台湾での投資計画が既に明確なため、修正または再提出する場合、審査スピードは比較的速くなる」と強調した。
ただ、9日付工商時報によると、中国国家発展改革委員会(NDRC)は外国資本の次世代パネル工場投資に対し認可件数上限を設けており、昨年末、サムスン電子の7.5世代工場およびLGディスプレイ(LGD)の8.5世代計画が認可されたことで、既に枠が埋まったとされる。
こうした状況の中、同日付経済日報は、AUOの昆山7.5世代工場計画は既に中国側の不認可が決まったとする業界関係者のコメントを伝えた。同紙は、AUOは今後、既にNDRCから8.5世代工場の設置認可を受けた龍飛光電(昆山)を買収する可能性が高いと指摘している。
「韓国と同地点に立ったのみ」
なお電子時報は、液晶パネル産業の中国投資解禁は既定路線だったにもかかわらず、進ちょくスピードが遅く台湾メーカーの足を引っ張ったと政府を批判し、「今回で韓国メーカーと同じスタート地点に立ったにすぎない」と指摘した。さらに、「AUOは早くから龍飛光電など中国地場メーカーとの提携を模索しており、中国次世代投資で韓国をリードする可能性もあったが、行政手続きの遅れでチャンスを逃した」と分析した。
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