ニュース 社会 作成日:2011年3月11日_記事番号:T00028692
働き過ぎはハイテク業界だけでなく、人命を預かるバス運転手にとっても深刻な問題だ。ある大手高速バス会社では、運転手386人(40〜45歳)の76.3%に寝不足、寝付きが悪い、睡眠時の無呼吸など睡眠障害の症状が…。この恐るべきデータは、中山医学大学附設医院睡眠医学中心のカウンセラー王志寰氏が今月5日に台湾睡眠医学会開催の学術研究会で発表した2009年3〜9月実施の調査結果だ。
実際、あるバス運転手によると、春節(旧正月)期間は残業が多く、1日12〜13時間勤務は当たり前だったという。睡眠不足の上に渋滞が重なれば、居眠り運転をすることもしばしば。何度か前の車にぶつかりそうになったこともあるそうだ。ほかに、16〜17時間勤務を強いられた運転手もおり、我慢できず別の会社に移るしかなかったとこぼしている。
労働基準法(労基法)の「勤務時間は1日12時間、1カ月の残業時間は合計46時間を超えてはならず、7日に最低1日の休日を設けること」という規定が高速バス運転手にも適用されているが、労委会が昨年、高速バス会社35社に対し行った調査では、46%で超過勤務が見られた。労委会は「人手不足が長時間勤務につながっており、今後改善を要求する」と強調。また「バス運転手は運転と待機時間が長く、超過勤務は健康問題を引き起こしやすい」と指摘し、今後も労働状況の監督と改善に努めるとしている。
なお、上記の調査を行った王カウンセラーは昨年10月バス会社に対し、8時間勤務に収まるよう勤務シフトを改善し、運転手に最低30分の運動を奨励、睡眠障害が深刻な者には治療を受けさせるよう提言したが、同社は何のアクションも起こしていないという。
専門家によると、睡眠障害を持つ者が車を運転した場合、事故を起こす確率は一般の人の3倍に上るという。王カウンセラーは調査対象となったバス会社の社名を挙げていないが、長距離バスを利用する際は運転手の様子をじっくり観察してからにするべきかもしれない。
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