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TSMC、ソニーから携帯TVチップ受注へ


ニュース 電子 作成日:2007年9月28日_記事番号:T00002875

TSMC、ソニーから携帯TVチップ受注へ

 
 台湾積体電路製造(TSMC)が、ソニーから携帯電話用テレビの標準規格である「DVB-H」用チップセットと携帯電話チップを受注する見通しだ。TSMCはすでに聯発科技(メディアテック)からもデジタルテレビチップを受注しており、今回ソニーからの直接受注が決まれば携帯電話用テレビチップ市場をリードする立場を確立するとみられる。28日付経済日報がロイター通信の報道として伝えた。
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 ソニーは、SoC(システム・オン・チップ)設計ファウンドリーの創意電子(グローバル・ユニチップ)と協力して「DVB-H」用チップセットの開発を進めており、このチップセットの生産をTSMCが受注するもようで、ソニー・エリクソンの携帯電話に採用される。ソニーとTSMC、創意はともにこの情報について「ノーコメント」としている。

 業界関係者によると、TSMCは、最近ソニー向けにハイビジョンテレビ(HDTV)用ドライバICチップの生産を開始しており、ソニーは今後利益率の高いIC設計分野に専念する一方、多額の資本が必要な生産業務はTSMCに請け負わせるとみられる。今年第2四半期まで、TSMCの売り上げに占める日本からの発注はわずか4%にすぎなかった。ソニーからの受注増が見込めることで、この比率は上昇しそうだ。

 「DVB-H」用チップセットは65ナノメートル製造プロセスで開発されており、TSMCにとって65ナノプロセスにおける日系メーカーからの初受注となる。ソニーとTSMCの協力関係は今回が初めてではなく、以前にもデジタルカメラ特殊応用65ナノチップの生産を、創意による設計を経て受注したことがある。TSMCの、創意との提携で日本市場に積極的に食い込んでいく姿勢は、外資にも好感を持たれているようだ。

コンシューマ市場を積極開拓

 TSMCはコンシューマ向け電子製品市場に積極展開を図っており、聯発からのデジタルテレビチップの受注は今後さらに拡大し、加えて携帯電話チップもTSMCが獲得する公算が高い。高画質テレビ市場はまだ成熟しているとは言いがたいが、液晶テレビ世界3位以内のソニーからの受注により、今後TSMCはデジタルテレビ、携帯用テレビの分野でライバルを引き離すことが期待できる。