ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

《東日本大震災》台湾テレビの震災報道に批判、「国の恥」の声も


ニュース 社会 作成日:2011年3月16日_記事番号:T00028788

《東日本大震災》台湾テレビの震災報道に批判、「国の恥」の声も

 台湾でも連日報道され、大きな関心を集めている東日本大震災。ケーブルテレビが普及している台湾では、日本語チャンネルも多く、NHKの海外向け放送も視聴できる。そこで、NHKとは対照的な台湾メディアの報道姿勢や手法が話題になり、批判の声が上がっている。

 台湾のニュース報道は、キャスターが表情豊かに感情を交えて伝えるのが一般的。視聴者をひきつけるため、興奮した口調で大げさに報道することも多い。今回の震災報道も例外ではなく、ニュースタイトルも『驚き!これが日本か?』、『悲惨!死傷者数は増加の一途』など、センセーショナルなものが多く見受けられた。

 台湾の各局にはNHKと違い、視聴率というプレッシャーがある。そのため、多くの台湾メディアが震災後すぐに被災地入りし、独自のニュースをスクープしようとした。しかし、実際には記者を危険にさらしただけで、有益な情報を発信できたかといえば疑問だ。

 例えば、仙台市で生存者の台湾人留学生を取材し、駅構内までしつこく追い回したあるメディアは、日本の警察から警告を受ける羽目に。功名心からのなりふり構わぬ取材攻勢は、台湾の学者から「国恥」と形容されたように、被災地や被災者にとっては迷惑以外の何ものでもないだろう。

 今回の震災報道では、台湾のニュースチャンネルは、誇張した扇動的な報道で必要以上に視聴者の恐怖をかき立てるとの指摘もある。一方、NHKは冷静に必要な事実を淡々と報道していると好感を持って受け止められている。「多少言葉は分からなくても、台湾のニュースチャンネルではなくNHKを見る」という台湾人が増えたのも事実だ。フェイスブックでは、「台湾メディアにこれ以上下劣な震災報道をしないよう要求する運動」も起きているという。

 台湾メディアがセンセーショナルな報道を好む最大の理由は、視聴率のため。日本人AV女優が津波で死亡したとのニュース(後にデマと判明)を大きく報じたのも、視聴者の耳目をひきつけたいためだ。そんな台湾メディアにとって、今回の視聴者による数々の批判は良い教訓で、「NHKは面白みがない」との姿勢を変えるべき時がきたのかもしれない。