ニュース 社会 作成日:2011年3月17日_記事番号:T00028815
東日本で発生した大地震が原因で起きた福島第一原発の事故で放射能漏れという事態に至ったことを受け、台湾市民の間にも、放射性物質が流入するのではとの不安が拡大している。
台北市のある薬局では、放射能による障害を防止する効果があるとされるヨウ素剤に関する問い合わせが1日に10件以上に上っている。中には間もなく帰国する日本人が、友人などのために購入しようと問い合わせる場合もあるという。
しかし台北市衛生局によると、ヨウ素剤は薬剤師の同意があれば処方が可能な「指示用薬」に分類されているものの、台湾では特定の機関でしか販売が認められておらず、一般の薬局には流通していない。もし、無許可で販売した場合は7年以下の懲役刑が科せられることになる。
また、例えヨウ素剤が手に入ったとしても、むやみに服用することは避けた方がよさそうだ。専門家によると、被爆していないにもかかわらずヨウ素剤を服用すると、アレルギーや急性血管炎を発症する恐れがあるという。また人間が1日に必要とするヨウ素150マイクログラムに対し、ヨウ素剤1錠は130ミリグラムと約千倍に相当し、普通の人がこれを服用すると、まず甲状腺機能が増進した後、低下に向かい、さらに心不全、不整脈を引き起こすこともあるそうだ。
このほか薬局では「活性炭マスク」を買い求める客も増え、売り切れ状態になっているという。普通のマスクに比べ放射能を防ぐ力が強いだろうとの考えからと思われるが、薬剤師によると一般のマスクと効果は変わらないという。
実際のところ、福島原発の放射能漏れが台湾に影響するのかどうかについて中央気象局の辛在勤局長は16日、「今後30〜36時間、西北の風向きが予想されるため、放射性物質が台湾に接近することも考えられるが、1,500〜2,000キロメートルの距離がある上、大気の活動により台湾にとどまることはあり得ない」と説明している。
不安になる気持ちは理解できるが、パニックに陥らないよう正確な情報の把握に努めたいところだ。原発事故に関する医薬関連情報については衛生署HP( http://www.doh.gov.tw )の「日本核災衛生医薬専区」で提供されている。
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