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「関」から「官」へ改姓、6代にわたる無念解消


ニュース 社会 作成日:2011年3月23日_記事番号:T00028928

「関」から「官」へ改姓、6代にわたる無念解消

 「えっ、本当ですか?!」宜蘭県頭城鎮に住む関宗俊さんは、法務部法医研究所からの通知を受け、喜びのあまり飛び上がった。鑑定の結果、「関」家と「官」家との血縁関係が証明されたというのだ。関さんは「これでやっと官の姓を名乗れる」。

 実は、関さんの祖先は「官」という姓だった。ところが、1945年に台湾に来て戸籍を作った際、戸籍係が「官」を誤って「関」と記載。関さんの曾祖父は読み書きができず、間違いに気付かなかったため、現在に至るまで6代にわたり「関」の姓を名乗ることになったのだ。

 とはいうものの、一族の墓碑には「官」姓が記されている。そのため関さんは幼かったころ、清明節の墓参りのたびに「自分は『関』なのになぜ『官』という墓に参るのだろう」と不思議に思っていたという。

 その後理由を知った関さんは、小学校のテストの答案に「官宗俊」と書いて提出したこともあったが、教師にひどく叱られたという。「関」という姓のため、同級生に「関公(中国の武将、関羽のこと)」とあだ名を付けられ、不本意に思ったことも。

 5年前に台湾鉄路管理局を退職した後、関さんは祖先の姓に改姓するために奔走。しかし、70年近い年月が経ち、最も近い「官」姓の人でも7〜8親等。DNA鑑定では、4親等以上離れた血縁関係の証明は困難だという。それでも関さんは2010年に改姓を申請したが、証明書類が不十分として却下されてしまった。

 そんな折、聯合報の報道がきっかけで、法医研究所が救いの手を差し伸べた。Y染色体を調べれば、血縁関係を証明できるという。そこで、関家と官家の男性から採集したY染色体を鑑定してみると、17組の遺伝情報が一致し、同一祖先と証明できた。

 これにより、頭城鎮に在住の関家の約60人は、晴れて「官」姓に改姓できることになった。「今年の清明節には、祖先官家の一員になれる!」関さん、いや、官さんはうれし泣きしている。