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鴻海がLED事業強化、先進開発の経営権掌握


ニュース 電子 作成日:2007年9月29日_記事番号:T00002898

鴻海がLED事業強化、先進開発の経営権掌握

 
 鴻海集団が発光ダイオード(LED)封止メーカー、先進開発光電(アドバンスド・オプトエレクトロニック・テクノロジー)の経営権を掌握した。鴻海は28日行われた先進開発の役員改選で董事3人、監事1人のポストを獲得し、鴻海のグループ企業でLED事業を担当する沛キン半導体(フォックスセミコン・インテグレーテッド・テクノロジー、キンは金三つ)の曹治中董事長が先進開発の董事長に就任した。鴻海は先進開発の事業リソースを組み込み、当面はLED照明市場への展開を強化するとみられる。29日付工商時報が報じた。
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 鴻海集団は今年7月、先進開発の第三者割当増資を引き受け、系列企業でLED関連製品を採用する鴻準精密工業(フォックスコン・テクノロジー)、群創光電(イノルックス・ディスプレイ)、沛キン半導体と鴻海精密工業の4社が共同で8億4,000万台湾元(約29万5,000万円)を出資し、先進開発の株式46.6%を取得した。将来的に先進開発と沛キンのLED部門を統合する構想を立てている。

LED街灯の需要拡大

 LEDメーカーの推定では、来年LEDを使った街灯の需要は北京オリンピックを迎える中国で約800万基、米国で2,000万基に上る。LED街灯に使用されるLEDチップのオファー価格は一粒約1~2米ドルで、街灯1基につき少なくとも100~150粒が使われ、LEDチップメーカーへの波及効果は計り知れず、各社とも先を争って参入している。

 LED街灯の核となるのは放熱モジュール開発で、超高品質のLEDチップ採用とパッケージング技術が必要となる。鴻海集団では鴻準が放熱モジュール技術を開発し、沛キンがLED街灯のシステム設計および組み立てを担当している。先進電はLEDパッケージングを請け負い、当面は鴻海集団の自社用に供給するもようだ。

 証券会社によると、鴻海集団は鴻準、沛キン、先進開発3社の共同戦略の下、LED産業での展開を速める見通しで、将来は上流のLEDエピタキシにも参入するとみられる。中国・武漢でのLED生産拡大と合わせて業界で重要な役割を演じることになりそうだ。