民主進歩党(民進党)の年に一度の党大会が30日台北市で開かれたが、「正常国家決議文」の内容をめぐって游錫コン主席(コンは方2つに土)が一方的に辞任を表明するなど党内で混乱が続いていることを不満として、総統候補者の謝長廷元主席が出席を取りやめた。党大会では3時間にわたる選挙応援集会が計画されていたが、これも中止となった。
謝長廷氏は、競選総部長(選挙対策本部長)でもある葉菊蘭総統府秘書長を通じ、「党内の団結回復を待って、新たに選挙集会を挙行する」意思を表明。1日付中国時報によると、こうした謝氏の行動は游氏に対する明白な不満の表明と受け止められている。
游氏は先月、首長特別費の横領罪で起訴された際に辞任を表明していたが、「正常国家決議文」に「国号を台湾とする」という文言を盛り込む主張が党内で支持されなかったことから、27日に記者会見を開いて慰留を受ける意思がないことを表明。前日の結党21周年パーティー、党大会いずれも欠席し、党リーダー層の不一致ぶりを見せつけた。
党大会では、葉氏が游氏の支持者に対し「団結しない政党がどうして選挙に勝てるだろうか?」と批判。正常国家決議文は、「台湾正名(中国的な名称を台湾に正す)を早期に完成し、新憲法を制定する」という党中央による修正版と、游氏の「国号を台湾とする」の案で挙手採決が行われたが、游氏案は328人の代表者のうち1回目は43票、「国号」を「国家」に変更した折衷案も30票の賛成しか得られず惨敗した。
選挙集会が中止になり、応援グッズを片付ける。游氏が原則的独立論の矛を収めるかどうかが次の焦点だ(中央社)