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自宅でネットの「帰宅部」増加、大学クラブ存続の危機


ニュース 社会 作成日:2011年3月29日_記事番号:T00029051

自宅でネットの「帰宅部」増加、大学クラブ存続の危機

 大学生といえば、学業だけでなくクラブ・サークル活動や恋愛に忙しい青春の真っただ中──のはずが、最近の調査によると、今どきの大学生はクラブやサークル活動には興味を示さず、授業が終わるとすぐ帰ってしまう「帰宅部」が多いことが分かった。自宅でインターネットやゲームをする方がよっぽど楽しいらしい。

 高雄市政府社会局婦幼青少年館によると、同局主催のイベント「クラブカーニバル」には2004年、200以上の大学のクラブが参加していたが、06年には150団体に急減。その後も年を追うごとに減っているという。調査によると、高雄市の大学、専科学校(単科大学・高専に相当)の各校では、毎年平均5つのクラブが廃部になっている。

 30年の歴史を持つ国立高雄応用科技大学のクラブ「椰城服務社」は、山間部などでのボランティアを中心にさまざまな活動を行い、ピーク時には100人以上の部員が在籍した。しかし、今どきの若者は時間と労力を要する活動が苦手とみえ、今年の新入部員はわずか5人だった。

 同大学のハーモニカクラブもここ数年、新入部員はいない。演奏会に出演するのも現部員のわずか4人。大学側は部員がいる限り廃部にしないというが…。

 私立和春技術学院もここ10年でクラブの数が20前後へと約半減した。4年前は部室が足らず複数のクラブが一つの部室を共用するケースもあったが、今では部室は不要というクラブまで出現。新入部員が少なく、廃部の危機にあるクラブがほとんどだ。

 同学院の呂綺修副校長は、大学生がクラブ活動に打ち込まなくなったのは、インターネットの出現で娯楽が増えたためで、クラブ数が減るのは当然の成り行きと分析。大学側が、若者が興味を持つようなクラブ活動や課外活動を創設しなければ、家にこもる大学生を外に引っ張り出すことはできないとこぼした。

 クラブ活動は、人間関係や問題解決の方法を学ぶことができ、人格形成にも重要な役割を果たす。学生時代のクラブ活動を重視する企業が台湾でも多いのはそのためだが、クラブにとっての冬の時代が到来したようだ。