ニュース 電子 作成日:2011年3月30日_記事番号:T00029105
東日本大震災の影響による電子業界の原材料不足は、第3四半期末まで解消されないとの予測がメリルリンチ証券から示された。今年の世界全体の半導体出荷成長率予測を従来の18%から3.6%へと一挙に引き下げた上、ノートパソコンメーカーは利益の3割下方修正もあり得ると悲観的だ。台湾の半導体業界関係者は、どの材料・部品が欠けても最終製品の出荷に影響が出るため、第2四半期出荷に見通しがつくのは、部品ごとの在庫水準が明らかになる約2週間後と予想している。30日付蘋果日報などが報じた。
メリルリンチ証券の何浩銘・半導体チーフアナリストは、BT樹脂を使ったプリント基板(PCB)は第2四半期に世界全体で20%以上の不足、12インチシリコンウエハーは10〜15%の不足が見込まれると指摘した。ハードディスク、受動部品、その他の特殊部品は予測が困難だが、見通しは良くないと語った。また、最終製品を手掛けるメーカーが、重要部品が入手できず完成品に仕上げられない可能性を考慮して半導体の発注を削減し始めていることから、今年の半導体出荷成長率の予測値を3.6%に大幅下方修正した。このうちロジックICの成長率は従来の10.6%から7.7%に引き下げた。
張妍婷・同社ハイテク産業アナリストは、原材料・部品供給懸念に加え、タブレットPCの相次ぐ発売が既存のPC需要を抑え込み、人件費や部品コスト上昇も相まって、ノートPCの第3四半期出荷は世界全体で前期比8%成長にとどまると予測。通年利益予測も20〜30%下方修正となる可能性があると語った。
こうした理由から、同社は台湾の電子関連20社以上の目標株価を引き下げた。対象は、▽ファウンドリーの台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)▽半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)の日月光半導体製造(ASE)、矽品精密工業(SPIL)▽PCBの南亜電路板(NPC)、景碩科技(キンサス・インターコネクト・テクノロジー)▽PCブランドの宏碁(エイサー)、PC受託生産の仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)──など。
供給停止に懸念
台湾の半導体業界は、1〜2カ月分の在庫消化後、足りない材料・部品が出れば出荷できないため、別の材料・部品で在庫量が多くても供給を停止せざるを得なくなると不安を抱いている。あるPC関連のIC設計会社は、現時点で既に顧客が発注に慎重なため、震災前に成長を見込んでいた第2四半期も、良くてもわずかな伸びにとどまるとため息をついた。
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