ニュース 電子 作成日:2011年3月31日_記事番号:T00029135
三菱ガス化学が、半導体パッケージング(封止)基板やプリント基板(PCB)などの積層材料に使われるBT樹脂の子会社、エレクトロテクノ(福島県西郷村)が、5月初旬に生産能力を東日本大震災前の需要を満たす水準に回復できると発表したことを受けて、台湾業界に安堵(あんど)感が広がっている。エレクトロテクノの操業停止により、業者によっては在庫が残りわずか2週間となっていたが、最悪の状況は回避できる見通しが立った。31日付電子時報が報じた。
三菱ガス化学はBT樹脂で世界シェアの60%前後を握る。14日に生産停止が発表されたため、日月光半導体製造(ASE)と矽品精密工業(SPIL)の半導体封止大手2社、および景碩科技(キンサス・インターコネクト・テクノロジー)、欣興電子(ユニマイクロン)のPCB・IC基板メーカーは、第2四半期は厳しい局面を迎えると予想していた。三菱ガス化学のBT樹脂は、特に携帯電話用PCBでは世界シェアの50%を占めるとされ、スマートフォンのサプライチェーンが打撃を受けるとの観測が出ていた。
一時は出荷停止も視野に
ASEとSPILは、韓国、中国、台湾のメーカーに代替素材を求めたものの、認証作業を通していない素材を使って出荷を強行することは リスクが高いため、在庫切れによる稼動停止という最悪の事態も視野に入れていた。
キンサス、ユニマイクロンは、いずれも既に在庫の大半を使ってしまったため、南亜電路板(NYPCB)に支援を求めた。しかし南亜電路板では生産能力の10%以下を埋める程度にしかならないため、顧客に対し出荷に影響が出る恐れがあると通知を行っていた。
このため三菱ガス化学の発表に、封止業者は「出荷できなくなるピンチを乗り切れ、大いに元気づけられる」と話した。
生産動向を注視
ただ三菱ガス化学は、「電力供給制限の制約があり、原材料の調達方法も変更を迫られた」と強調しており、今後の製品供給に新たな変数が生じる恐れもある。封止業者は「第2四半期の危機の懸念は大部分なくなったが、業績成長を回復できるかは観察が必要だ」と指摘した。
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