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日産車の生産維持に自信、裕隆「部品懸念なし」


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2011年4月6日_記事番号:T00029195

日産車の生産維持に自信、裕隆「部品懸念なし」

 自動車大手、裕隆企業集団は、4月末まで日産車の通常生産を維持できる見通しとなった。日産自動車から新車600台分の部品を輸送したとの通知を受けたためで、日本製部品の供給懸念はほぼなくなったとの見方も示した。部品在庫は既に最低水準まで下がっていたという。6日付工商時報などが報じた。


裕隆日産汽車は現在、セフィーロなど3車種でエンジンコンピューターなどの無料点検キャンペーンを展開中だ。同社など日本車販売各社は、震災発生後も目標を引き下げていない(裕隆日産リリースより)

 裕隆汽車の主管によると、当初は日産の計画に基づいて部品の受領再開は4月中旬を想定していたが、3月28日に日産から台湾向けに部品を輸送したと連絡があった。これらの部品が届けば、日産車の生産は4月いっぱい問題ないという。日産は4月以降、日本製の部品を1〜2週間に1便供給する方針だ。

 同主管はまた、日産の部品メーカーの多くが予定より早く稼働を再開したり、日本で代替メーカーを確保しているとして、サプライチェーンの迅速な回復を指摘した。走行制御用チップは、協力メーカーの日立製作所が生産地を被災地以外の工場に切り替え、3月下旬に出荷が開始された。またティアナなど排気量の大きい車種に用いるVQエンジンは、日産の北米の生産拠点から台湾を含むアジア・太平洋市場に供給されているという。

 ただ日産は、中国生産で必要な部品1〜2日分が台湾の1カ月分に相当するため、まず台湾などへの供給を優先しており、裕隆集団と中国・東風汽車の合弁、東風裕隆汽車は部品不足が最も顕著となっているようだ。

台湾調達拡大も

 東日本大震災でサプライチェーンの断絶懸念が表面化したことにより、日産やトヨタ、ホンダなどが台湾の部品メーカーからの調達を強化するとの観測が出ている。日系大手は従来、部品生産の核心技術供与には慎重で、台湾の部品メーカーによる受注は困難だったが、今後は第2の調達先に加わったり、正式にサプライチェーン入りできる可能性が出てきたと業界ではみている。

 有望メーカーとしては、海外大手と提携実績のあるトランスミッションの和大工業やエンジン用ピストンの正道工業(ライトウェイ・インダストリアル)を筆頭に、▽東陽実業廠▽大億交通工業製造▽堤維西交通工業(TYCブラザー・インダストリアル)──などが挙げられる。