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不肖息子を一喝、マンション贈与取り消し訴訟


ニュース 社会 作成日:2011年4月14日_記事番号:T00029347

不肖息子を一喝、マンション贈与取り消し訴訟

 かつて上場エレクトロニクス企業の董事だった李さんは、数億台湾元(約1元=2.9円)を保有する資産家。10年前、3人の息子にそれぞれマンションを買い与え、自分たち夫婦は新北市林口区で暮らしていた。

 2002年に結婚した末っ子の三男に買い与えたのは、台北市安和路の「東帝士(トンテックス)花園広場」(約45坪)。現在は市価6,000万元という高級物件だ。李さん夫婦は孫の顔見たさに三男のマンションを頻繁に訪れていたが、そのうち新北市の自宅を売却し、三男一家と同居することになった。

 ところが、三男は親からマンションをもらって以来、10年もの間、仕事に就かず、水道・電気代、マンションの管理費まで親頼み。それどころか、2万元以上かかる自分の子どもの学費や塾代まで親に無心するありさまだった。

 70代の李さん夫婦にとって、莫大(ばくだい)な財産は遅かれ早かれ息子のもの。しかし、40歳になる三男は仕事もせず家にこもり、子どもや両親を扶養する義務を果たそうともしない。

 「情けない。息子に喝を入れなければ」と考えた李さん夫婦は、昨年、民法の「防不孝(親不孝防止)條款」を基に、三男からマンションを取り戻す訴えを起こした。民法第416條には、「贈与者に対する扶養義務を持ち、それを履行しない者に対して、それが分かった1年以内に贈与を取り消すことができる」と規定されている。台北地方法院(地方裁判所)は、この防不孝條款に基づき、李さん夫婦の訴えを認める判決を下した。

 こうして三男は贈与を取り消され、マンションは李さんの妻名義に書き換えられた。とはいえ、李さん夫婦はもともとマンションから三男を追い出すつもりはなかった。法廷にまで訴えたのは、息子が一念発起し、仕事を見つけて父親としての責任を果たしてくれるよう願ったからだ。

 親泣かせの不肖息子、この親心がカンフル剤となって立ち直ることができるかどうか…。