行政院環境保護署は1日、台湾プラスチックグループの台塑鋼鉄が雲林県内で計画中の製鉄所建設計画について、環境評価委員による協議を非公開で行い、第2段階の環境影響評価を実施しないことをいったん決めたが、手続き上の問題があったとして決定を保留した。2日付聯合報などが伝えた。
第2段階の環境影響評価を実施する方針は今年3月の環境評価委員会で固まっていた。しかし、同日の会合では陳重信環境保護署長が既定方針を撤回し、同評価を行うか、審査を専門グループに差し戻すかに関する無記名投票を行い、8対6で同評価を実施しないことを決めた。だが、一部委員が表決手続きに問題があると主張したことや環境団体が抗議活動を行ったことを受け、陳署長は表決結果を保留するよう指示した。
陳署長や行政院経済建設委員会出身の環境評価委員は台塑鋼鉄側の意向をくみ、半年程度の時間が必要な同評価を実施せず、審査手続きを加速化させるために「強行採決」に及んだとみられる。しかし、反対の声が上がるや決定を保留する異例の展開となり、環境保護団体からは「話がころころ変わる。環境評価を子供の遊びとでも思っているのか」と批判の声が上がった。計画認可に向けては今後も曲折が予想される。
協議がマスコミに公開されなかったことも、審査過程が不透明だとして批判を浴びている。
環境保護署の判断と姿勢は環境団体の怒りを買った。現場でいすを振り上げて抗議する姿も(1日=中央社)