ニュース 電子 作成日:2011年4月18日_記事番号:T00029433
東レグループ傘下の東レフィルム加工は18日、高雄市に液晶パネルなどに使用される表面保護フィルムの生産・販売会社を設立すると発表した。2013年1月に量産を開始し、同年夏までに年産能力を1万7,000トンに拡大する計画だ。東日本大震災発生後、初めてとなる電子関連消耗材メーカーの台湾進出に、18日付経済日報は、日本の重要技術の台湾移転を意味し、域内産業の技術力向上に有利と指摘した。
東レフィルム加工は、保護フィルムの世界市場で65%のシェアを持つ最大手で、5月に南部科学工業園区(南科)高雄園区(高雄市路竹区)に「東麗尖端薄膜」(資本金35億円)を設立、自己粘着性表面保護フィルム「トレテック」の生産工場を新設する。これにより東レグループはフィルム事業で初の台湾進出を果たすとともに、「トレテック」を初めて海外で生産することになる。
法人税減税・ECFAが決め手
東レによると、近年LCDディスプレイ用バックライトへの発光ダイオード(LED)採用が進む中、その必須部材となる輝度向上フィルムや導光板向けを中心に表面保護フィルムの需要がアジアで急拡大しており、供給能力の増強が急務となっていた。
こうした中、導光板の生産で世界最大シェアを誇る台湾の主力メーカーから現地生産実施の強い要請を受けたこと、台湾の法人税減税、および中台間の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)締結による輸出競争力向上などが、台湾進出の決め手となったとしている。
日系メーカーの集積、さらに進むか
なお消息筋によると、台湾政府の誘致計画の下、これまでも日本企業の台湾進出検討は相次いでいたが、今回の震災が、日本メーカーにサプライチェーン断裂の危機を回避するため、海外展開拡大をさらに促す効果をもたらしているという。
なお南科には現在、日本のハイテクメーカー18社が進出しているが、東レの進出により今後さらに日系パネルメーカーの集積が進むとみられる。また、日立、東芝、パナソニックなど大手電子メーカーも東レに続いて台湾に進出するのではないかとの観測も出ている。
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